光、幼なじみのエースを4番が援護「頑張りを見てきた」 センバツ
◇センバツ高校野球第8日(27日)3回戦 ○山梨学院7―1光(山口)● 幼なじみのエースへの思いがバットに宿った。光の4番・藤井啓輔が好投手攻略へ突破口を開いた。 【光vs山梨学院の熱戦を写真で】 二回、先頭で打席へ。制球力に優れる山梨学院の先発・林謙吾の「1打席に1球は来る」という甘い球を待った。2球で追い込まれたが、ファウルで粘り、高めに浮いた失投を仕留めた。「ちょっと詰まったが、うまく押し込めた」と左中間深くを破る二塁打とし、先取点を呼び込んだ。 九回にも左前安打を放ち、3打数3安打だった初戦と合わせて2試合で7打数5安打。4番の役割を果たした。ただ、3回戦で敗れ、「凡退した2打席も甘い球はあった。なぜ、ヒットにできなかったのかを考えたい」。笑顔なく、反省の言葉を繰り返した。 親友のため、どうしても援護したかった。エース右腕の升田早人とは保育園時代からともに過ごし、互いの自宅は100メートルほどの近所に住む。もちろん、ずっと一緒にプレーしてきた。 升田は昨秋の公式戦9試合のうち8試合を完投し、今大会も初戦で完封した。背番号「1」の重責だけでなく、主将としてチームを引っ張ってきた。「あいつが練習からすごい頑張っているのを見てきたし、ずっと一緒にやってきた。だからこそ、すごい強い気持ちがあった」 ベスト8には届かなかったが、エースの力投とそれに応えた4番の打撃が、チームに春夏3回目の出場で甲子園初勝利という新たな歴史を残した。「あそこ(甲子園)でやれる実感もできた。(夏も)公立校でも甲子園に出て勝てるんだ、というものを見せつけたい」。新たな目標に向かい、2人で挑んでいく。【長宗拓弥】