ソフトバンク“23人を戦力外通告”の衝撃「ユニフォーム脱ぎたくない…」25歳のスター候補が漏らした本音「気持ちの整理がつかない」なぜ非情決断?
涙する選手も…球団ウラ事情とは?
また、三浦同様に戦力外での育成再契約を打診された仲田慶介についても驚かされた。開幕直前に支配下入りして開幕一軍入り。今季の半分近くまで一軍ベンチにいて、7月以降にファーム落ちしてからもウエスタンで打率.403をマークし課題とされた打撃に改善が見られ、9月のウエスタン・リーグ月間MVPにも選ばれていた。仲田は非情の通告を受けた後、報道陣に応対する中で悔しさをこらえきれずに涙を見せていた。 長年ソフトバンクを取材してきたが、トレードや現役ドラフトでの放出はともかく、このクラスの選手の戦力外はあまり記憶にない。これには現在のチーム編成事情が深く絡んでいるようだ。 ソフトバンクは12球団で唯一の四軍制を導入して以降は特に、毎年育成枠で数多くの選手を獲得している。先日のドラフトでも育成指名が13位まで続けられた。約50名を抱える育成選手のモチベーション維持や向上の観点から、支配下登録枠にはある程度余裕を持たせておく必要がある。 2022年や2023年のソフトバンクはその点を失敗し“育成のホークス”があまり機能していなかった。その反省からこの2024年は支配下62名でスタート。背番号3桁の選手たちは「チャンスがある」と目の色が違っており、例年以上にファームはもちろんチーム全体が活気づいていた。春先には「育成三銃士」(緒方理貢、川村友斗、仲田)という言葉も生まれ、小久保裕紀監督も「彼らの頑張りは心打つものがありました。いい姿で野球をしていた。純粋に四球一つ、スチール一つ、ワンプレーが(未来に)直結する。ずっと支配下だったら忘れているものというか、そういう部分で彼らはやってくれた」と認めていた。その3人が開幕前に登録されたのを皮切りに、今季は過去最多の年間8人が支配下昇格を勝ちとった。 その好例を来季も継続したいと考えるのは至極当然の流れだろう。ただ、それには上限いっぱいの70人まで埋めた支配下枠に再び空きを作らなければならない。加えてドラフト会議では支配下で6人を指名したこともあり、球団フロントはかつてないほど“非情”な決断をするしかなかったというわけだ。
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