加藤シゲアキ『なれのはて』直木賞ノミネート会見を【コメントほぼ全文】でレポート!
10万部突破の話題作『なれのはて』が第170回直木賞ノミネート作品に!
2023年10月に発売され、「ラストの素晴らしさに涙が止まらない」「ワクワクとドキドキがずっと続く展開が見事」「間違いなく最高傑作!」など、広く話題となっている加藤シゲアキさんの最新小説『なれのはて』。各方面から高い評価を受け、すでに10万部を突破するなど文学界の話題をさらっていた今作が、第170回直木賞の候補作としてノミネートされました。これを受けて加藤シゲアキさんが会見に登壇。2作品連続ノミネートという快挙を遂げた、現在の心境を語りました。 【写真】直木賞ノミネート会見での加藤シゲアキさんの写真を見る 芸術、ジャーナリズム、戦争、家族など、さまざまなテーマを織り込んだ長編小説『なれのはて』。自身のルーツ・秋田が受けた日本最後の空襲・土崎空襲にも触れるなど、加藤さんの新境地ともいえるこの作品は、骨太さ、エンターテイメント性そのどちらも感じられることが魅力の1つ。約38万字を超える圧倒的なボリュームの大長編ながら、登場人物の情熱や信念に背中を押されるように、一気に読み進めてしまう小説となっています。
2作連続ノミネートの快挙。喜びの声を「ほぼ全文」でお届けします!
「with digital」では、この会見を「コメントほぼ全文」でレポート。大作『なれのはて』執筆時のエピソードや作家として抱えてきた葛藤など、加藤シゲアキさんがまっすぐに想いを語った会見の模様をフルボリュームでお届けします。 ブラウンを基調としたジャケットスタイルで会見場に登場した加藤さん。穏やかな表情でフォトセッションを終え、会見がスタートしました。 加藤シゲアキ(以下・加藤):改めまして、加藤シゲアキです。このたびは、直木賞候補に選ばれたということで、お忙しい中皆さんありがとうございます。2ヵ月前にもここで、発売の刊行会見をさせてもらったんですけど、2ヵ月でまた、このような会見ができることを喜ばしく思っております。短い時間ですが、よろしくお願いします。
ノミネートの知らせは、NEWSのドームライブリハ中に!
ーーありがとうございます。まず最初に(直木賞)候補の一報を聞かれた時の感想を教えていただけますでしょうか。 加藤:素直に、すごく嬉しかったです。前作の『オルタネート』に続いて、2作連続で候補にしていただけるとは、本当に大変光栄なことですし、何より周りにいた方や、家族や編集の方々、皆さん喜んでくださったので、なんかさすが直木賞だなと、直木賞の力を改めて感じました。 ーー候補となったことを、加藤さんはどのようなタイミングで聞かれたのですか? 加藤:来週、グループ(NEWS)の東京ドームのライブがありまして。そのリハーサル中に、マネージャーに呼ばれまして、それで電話を代わって。そしたら「直木賞候補になりました」と言われましたので、そのタイミングでしたね。リハーサル中に聞きました。 メンバーの小山慶一郎さんがさすがの勘を発揮⁉︎ ーーその時、メンバーはどんな反応でしたか? 加藤:事前に知っても「発表のタイミングまで言わないでくれ」って言われてるんですけど、僕が急に(リハを)抜けたものですから、「なんかあった?」って。もう勘がいいので、小山慶一郎という男は!(会場笑)「なんか選ばれた?」って聞かれたんですよ! なので、「もう犯人見つかった!」みたいな感じになって。「あ、すいません、実は直木賞候補になりました」と、その場でもう内々だけにちょっとお伝えさせてもらって。すごく喜んでくれましたね。スタッフも、メンバーも。 ーーで、発表まで内緒にしといてね、ということですね。 加藤:はい、そうですね、はい。 ーー(受賞の)発表まではやっぱり喜べないものですか? 加藤:そうですね、2度目ということもありますし、浮かれないようにはしたいなと思ってますけど、周りの方が本当に喜んでくれるので。「良かったね!」と。そういう意味では、なんですか、ホッとしたって言ったら変ですけど、もう一度候補に選んでいただけて嬉しかったなと思いましたね。 ーー今回の作品、お母様の故郷が舞台になっていますけども、お母様やお祖母様は何か感想はおっしゃってましたか? 加藤:あ、この件に関しては、「本当におめでとう」ということでしたね。前回の時もすごく喜んでくれたんですけど、「2回も連続でノミネートっていうのは本当にすごいことだ」と言ってくれましたし。祖母とはまだ直接は話してないですけど、小説を読んだ感想をいただいてて、90歳になる祖母ですけど、「3日で読んだ」「面白かった」と言ってもらったんで、祖母の太鼓判はあるなと思います。