〈プロ野球〉なぜ今年は審判への抗議が多いのか?!
また、ある関係者は、「パ・リーグ審判部の出身者のレベルが低い。問題を起こしているのは、みんなそうだ」とも指摘する。数年前にセ、パの審判が統合され、もう色分けはなくなっているが、出身母体によりレベルの差があるという。19日のゲームで問題を起こした山口、中村、山路哲生の3名は、偶然かもしれないが、いずれも、パ・リーグの審判部の出身者。谷繁監督が猛抗議した中村稔氏は、2004年から選手会が選ぶ「ベストアンパイア」に3年連続で選ばれた名審判であるのだが、映像で確認すると明らかに中島のサードゴロはアウトだった。 元ヤクルト、西武で監督を務めた“球界大御所”の広岡達朗氏は、これらの審判問題をバッサリと斬る。 「審判の努力、勉強が足りない。目が見えているのか?と疑うジャッジが多すぎるのだ。これは皮肉でもなんでもなく、まず瞬時に判断する視力が、どの審判もちゃんとあるのか、その検査をしっかりとしているのかの疑問がある。視力を保つ訓練をやっているのか? とも聞きたい。コリジョンルールの採用でホームのクロスプレー、および外野フェンス沿いの判断については、ビデオを使うことになったので、そこに頼りすぎている。これまでのように責任を持って、まず審判が自分の目で確かな判断を下すべきである。 ビデオを見て判定が、覆るのは情けないと考えねばならない。そして、これらのすべての問題は、コミッショナーにあると思う。これだけ現場で抗議が増えて、混乱しているのだから、コミッショナーが審判部のレベルアップのために、しっかりとしたリーダーシップを発揮して、なんらかの手立てを考えるべきだ」 NPBは、コリジョンルールの改正も含めて、審判団の整備にも早急に手打たなければ、プロ野球が競技として成立しなくなる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)