【Playback箱根駅伝】第54回/日体大が連覇で7回目の栄冠 8区で順大を逆転
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第54回箱根駅伝総合成績をチェック
第54回(1978年/昭和53年) 法大・成田道彦が早大・瀬古利彦、日体大・中村孝生を抑え2区区間賞
復路の箱根は25cmの積雪と、大雪に見舞われた第54回大会。日体大と順大が激しい優勝争いを展開した。 1区は日大の西弘美が区間賞を獲得。2位で入った順大の重成敏史に46秒差をつけた。語り草となっているのが、最長2区(25.2km)のエース対決。4位でタスキを受けた日体大の中村孝生を、後方から早大の瀬古利彦と法大の成田道彦が猛然と追い上げた。 5位でタスキを受けた成田は大会前に体調不良もあったが、それを感じさせない快走で、16.5kmには日体大に追いつき先頭に浮上。一方、9位でスタートしたを受けた瀬古は7人抜きを達成したが、成田をとらえることはできなかった。結果、成田が1時間13分35秒で区間賞。瀬古は19秒及ばず区間2位となった。 3区は日大の森近繁則が区間賞。順大が4区の田中登、5区山上りの新原保徳と連続区間賞で、12年ぶりに往路を制した。2位の日体大とは2分57秒差。大東大が3位、東農大が4位で続いた。 3日の未明に箱根山中に大雪が降り、除雪車と凍結防止剤で整備した山道を、各選手が慎重に下って行った。2分57秒差を追いかける日体大は、双子の兄・坂本亘が区間最高で追撃。先行する順大との差を1分51秒とした。 8区では双子の弟・坂本充が7km地点の湘南遊歩道で順大をとらえて逆転。2分1秒差をつけて戸塚中継所に入った。日体大は9区の斗高克敏が2年連続区間賞、アンカーの照井典勝も区間賞で駆け抜け、11時間24分32秒と大会新記録で7度目の総合優勝を飾った。復路も5時間39分35秒と新記録で制覇。2位の順大との差は、5分27秒に広がっていた。 7区の吉元政昭が区間賞を獲得するなど、復路2位の大東大が総合3位。東農大、日大、早大と続いた。早大は1976年に就任した中村清監督の指導と瀬古の加入でチーム力がアップ。12年ぶりのひとケタ順位となる総合6位に入り、名門復活の足がかりをつかんだ。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部