まったり楽しむ北海道の音楽フェス「ソラオン」 企画した男性の思い
北海道・空知の青い空と芝生のあいだで、ゆったりと音楽に浸る――。そんな野外音楽フェス「SORAON(ソラオン)」が22、23日、新十津川町で開かれる。子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が楽しめるよう企画された。主催者の永関博紀さん(33)=砂川市=は「大切な人とゆっくりまったり楽しんでほしい」と話す。 【写真】音楽フェス「SORAON」を主催する永関博紀さん=2022年6月、北海道新十津川町、SORAON実行委員会提供 永関さんは大学卒業後、東京のメディア企業に就職。ネット番組の制作に関わっていたが、「お笑い芸人になる」と2015年に退社した。 原動力は「多くの人を喜ばせることをしたい」。だが、現実は厳しかった。ピン芸人の日本一決定戦「R―1グランプリ」に出場するも1回戦で敗退。フリーターとなり、社会との接点がなくなっていくような感覚に襲われた。「あんなにバリバリと働いていた自分が何をやっているんだろう・・・・・・」 そんな日々の中、イベントの開催を思い立つ。会場を押さえ、キャスティングをする。お金を集めて宣伝し、現場を仕切る。これまで培ってきた番組づくりのノウハウを生かせると感じた。 19年に、野外音楽フェス「すながわ公園祭」を企画。会社員時代のつてをたどり、音楽事務所への飛び込み営業も重ねた。歌手の大塚愛さんらの出演が実現し、約2千人を動員した。 「来年はもっと大規模に」と自信を深めたが、コロナ禍で20、21年の開催は中止。22年に新十津川町で「ソラオン」として復活した。 出演者は永関さんが青春時代によく聞いていたアーティストたち。同世代の来場者らが、子どもたちも連れてくる。昨年は、ピクニック感覚で来場できるように会場のグルメを大幅に充実させ、トランポリンやサウナも併設した。 永関さん自身、音楽フェスに行ったことはほとんどない。だから「ステージの前で音楽にノルのはどちらかというと恥ずかしい」。ソラオンは自然と、ゆったりとした雰囲気のフェスになっていった。 家族連れを見ると思う。プロのパフォーマンスを見て、将来、歌手やダンサーを目指す子も出てくるかもしれない。「この子たちの未来をつくっているんだなと。大人になることの楽しさや人生の可能性を伝えたい」(上保晃平) ■ソラオン2024 場所 北海道新十津川町総進ふるさと公園イベント広場 日程 22日は午前9時開場で、午前10時~午後8時にMONGOL800やKREVAらが出演。23日は午前9時半開場、午後4時終了。地元のブラスバンドやダンスチームなどが出演 入場料(22日のみ) 高校生以下無料、学生1000円。大人は前売り8700円、当日9500円
朝日新聞社