オリジナル日本酒開発へ 若者や女性も飲んで 福島県・喜多方、西会津の12蔵元
福島県の喜多方、西会津の両市町にある全12蔵元は、若者や女性を主なターゲットにしたオリジナル日本酒をそれぞれ開発し、販売する事業に乗り出す。喜多方市の地酒店「しんたに」の呼びかけによる企画で、各蔵元が年間1~2種類の新商品を売り出していく。清酒の消費量が落ち込む中、酒造業界の活性化につなげる。 オリジナル日本酒は、2025(令和7)年以降に順次、商品化する計画。店主の新谷正樹さん(43)が杜氏(とうじ)らと話し合い、各蔵の特色を生かした品質とする。消費量が少ない若者や女性に好まれる味を目指し、新たな販路を開拓する。「一人でも多くの人においしい喜多方の酒を発信し、ファンを獲得したい」と狙いを語る。 4月中旬に開店予定のしんたに新店舗と各蔵元で取り扱う。新店舗は2階建てで、名前は「FRESH FOODS SHINTANI(フレッシュ フーズ しんたに)」。1階に地酒、野菜の売り場と飲食スペース「喜多方酒造場」を設け、オリジナル日本酒を市内を代表する人気商品にしたい考えだ。
酒に合う会津地方の郷土料理も提供し、観光誘客につなげる。全12蔵元が現在販売している清酒の試飲も楽しめる。 県酒造組合喜多方支部長を務めている東海林伸夫さん(55)=夢心酒造社長=は「おいしい酒を新しい形で売り込んでもらえるのはありがたい」と話した。 新谷さんは「日本酒の魅力を発信する場にしたい」と意気込んでいる。 【オリジナル日本酒を造る蔵元】 ▼喜多方市=笹正宗酒造、ほまれ酒造、香久山、峰の雪酒造場、夢心酒造、吉の川酒造店、小原酒造、清川商店、喜多の華酒造場、大和川酒造店、会津錦 ▼西会津町=栄川酒造