草彅剛、役に育てられた2023年 稲垣吾郎と香取慎吾から受けた刺激、今年挑戦したいことも
2023年は、草彅剛作品が豊作の年だった。『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)、『世にも奇妙な物語 '23 秋の特別編「永遠のふたり」』(フジテレビ系)、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK総合、NHK BS4K)と主演作品が続き、現在も連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK総合)での好演が注目を集めている。 【写真】殺陣にも挑戦した草彅剛 また並行して2024年5月に公開予定の映画『碁盤斬り』の撮影、舞台『シラの恋文』の公演も行なわれた。ドラマに、映画に、舞台に、もちろんレギュラー番組も抱えながらの活躍ぶりだ。改めて世の中が草彅剛というスターを求めていることを再認識させられるような年だった。 そんな勢いを感じた1年を過ごした草彅は、今どんな思いで2024年を迎えているのだろうか。多くの作品を通じて感じた自身の成長、そして1月1日、2日と共に日本武道館に立った稲垣吾郎、香取慎吾から受けた刺激、そして新しい年に向けて掲げた目標について、笑顔で語ってくれた。(佐藤結衣)
長い芸能生活の中でも一番と言えるくらい、役に育てられた2023年
――2023年は1月クールの主演ドラマ『罠の戦争』をはじめ、俳優として充実した1年になりましたね。 草彅剛(以下、草彅):そうですね。『罠の戦争』は『銭の戦争』(2015年)、『嘘の戦争』(2017年)に続く“戦争シリーズ”の3部作で、6年ぶりにカンテレさんとご一緒したのですが、チームもほとんど同じだったのでとても思い出に残っています。この作品で1年をすごくいい形でスタートすることができましたね。今やっている舞台『シラの恋文』は輪廻転生がテーマになってるんですけど、本当にいろんなめぐり合わせがあって、2023年は今までの僕の芸能生活の中でも一番と言えるくらい、いい役をたくさんいただいた年なんじゃないかな。 ――そのぶん、お忙しかったのでは? 草彅:たしかに1年中何かしらの台本を手にしていて、ずっと台詞を覚えていた感じでしたね。でも、それがすごく幸せで。台詞を覚えているときって、その世界観が自分の頭の中にあるんですよ。面白い仕事ですよね。東京から大阪や京都へ移動する新幹線の中でも台本を読んでいたのですが、その車窓から見える景色も作品の世界に見えたりして……ふふふ、なんかロマンチックですよね(笑)。 ――出演された作品の時代背景やジャンルもかなり幅広かったですよね。 草彅:本当にいい作品ばかりで。どの作品も素敵な作家さんが書かれているので、自分で言うのもなんですけど、僕まで素敵になっちゃってないかな~って(笑)。自分じゃ思い浮かばないような素敵な台詞を言うじゃないですか。『ブギウギ』でも「誰も君たちから歌を取り上げるなんてできない」とかね! そういう言葉って台詞じゃないとなかなか言わないし、言いながら心の中で「いい台詞だな」って噛み締めて幸せな気分になるんですよ。 ――その台詞にふさわしい人間であろうと、背筋が伸びる気分というか。 草彅:そうそう。役によって自分を磨かせてもらっているところがあるなと思って。役を演じながら柔らかい人間になっているという感覚もありますね。台詞を覚えながら、だんだんその役を好きになって、その気になっていくっていうのかな。それもお芝居のいいところでもありますよね。自分の血となり、肉となり、骨となっていくような、そんな感覚がある。役に育てられている……うん、そんなことを感じましたね。