非鉄製錬大手労組、24年春季交渉の賃金改善要求1万5000円で最終調整
基幹労連の非鉄総合に属する非鉄製錬大手5社(三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属、DOWAホールディングス、JX金属)の労組は、2024年春季交渉で1万5千円を基準に賃金改善要求を提出することで最終調整している。物価上昇に対する実質賃金の維持に加え、優秀な人材を確保して成長につなげていくための「人への投資」を求めていく考えだ。 1万5千円は非鉄総合の組合員平均基本給の約5%に相当する。物価上昇に対して3%程度、人への投資として2%程度を要求する。非鉄大手の労組が高い要求を示すことで中小を含む非鉄関連企業にも賃上げの気運を広げる効果も期待される。 非鉄製錬大手5社の労組は昨年の春季交渉で、物価上昇や人への投資の観点を踏まえ、3500円以上の賃金改善を要求。これに対し企業側も物価上昇に配慮したさまざまな手当の支給を含め全社が3500円以上となる高水準の賃金改善で応えた。中長期的な人材獲得競争の激化が予想される中、人への投資に積極的な姿勢を示すことで優秀な人材の確保・定着と従業員の職場活力の発揮による生産性向上に期待する考えが背景にあるとみられる。今春闘でも昨春闘の賃上げの勢いを継続できるかが焦点となりそうだ。