初年度年収は平均「511.4万円」!? 業界ごとでは「IT・通信・インターネット」がトップに! 年収の平均・未経験求人の割合についても解説
さまざまな政策において賃金アップが叫ばれるなか、業界の努力も相まって各業種の平均初年度年収には増加傾向が見られます。 ただ実際には物価上昇に対する給料の増加割合が低く、実質賃金は減少している状態です。この先の動向を的確に見定めるためにも、いま最も平均初年度年収が高いのはどの業種なのか、全体の傾向とともに押さえておきましょう。
2023年7~9月の業種別平均初年度年収
総合転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載される求人情報の平均初年度年収の推移を調査したデータによると、2023年7~9月の平均初年度年収は455万5000円でした。前年同期間(2022年7~9月)と比べると1万5000円増加となったものの、2023年1~3月の455万9000円、4~6月の457万7000円と比べて減少しています。 業種別にみると7~9月の平均初年度年収が最も高いのは「IT・通信・インターネット」の511万4000円です。次いで「金融・保険」が510万5000円、「コンサルティング」が496万6000円、「不動産・建設・設備」が489万円と続きます。
2019年からの平均初年度年収の推移
同調査によると、2019年平均と2023年7~9月平均との業種別正社員平均初年度年収の差は次のとおりです。 IT・通信・インターネット +14万2000円 金融・保険 +45万5000円 コンサルティング -5万6000円 不動産・建設・設備 +19万2000円 表示されている12種類の業種のうち、2019年平均との比較結果がマイナスだったのはコンサルティングのみで、そのほかの業種では8万8000~45万5000円の増加となっています。一方で前年同期比との比較ではコンサルティングは18万1000円増となっており、12種類の業種の中で最も多くなりました。
2023年の未経験求人の割合
2023年7~9月の求人割合は、12種類の業種のうち11種類が未経験者求人です。未経験者求人が50%を切ったのは「IT・通信・インターネット」(46.7%)のみで、2019年平均との比較でも-11.8ポイントと大きな下がり幅となっています。 逆に未経験者求人の割合が最も高かったのは「運輸・交通・物流・倉庫」で85.1%が未経験者可の求人です。2019年平均に比べると-4.1ポイントと下がっているものの、下がり幅は全体のうち3番めに少なく、前年同期比では2.2ポイント増加しています。 次いで「環境・エネルギー」が82.4%、2019年平均との比較で-0.4ポイント、前年同期比5.8ポイント増、「サービス・レジャー」が81.8%、2019年平均との比較で-3.6ポイント、前年同期比-1.2ポイントという結果になりました。 円安などの影響もありインフレが続く日本では、政府が最低賃金の引き上げなど賃金アップを目的にさまざまな対策を講じています。 紹介した結果からもわかるとおり、ほとんどの業種で賃金アップは実現しているものの、インフレ幅に比べて上昇率が低く、実質賃金は減少しているのが実情です。全体の求人件数は大幅に増加しているため、引き続き各業種の賃金アップに期待されます。