【米大統領選2024】 激戦州の投票所に「爆破予告」、ペンシルヴェニア州では1人拘束
米連邦捜査局(FBI)は5日、米大統領選の投票が行われた同日に複数の州で、投票所に対する「爆破予告」があり、その多くは「ロシアの電子メール・ドメインから発信されたようだ」と明らかにした。激戦州ペンシルヴェニアの最大都市フィラデルフィアでは、投票所に入って来た男が投票所の爆破をほのめかし、拘束された。ただ、こうした脅威が影響した投票所はごく一部で、全国的には投票プロセスはほぼスムーズに進んだ。 FBIは複数の州の投票所に対する「爆破予告」について、「これまでのところ、どの脅迫も信ぴょう性があるものとは判断されていない」とした。 ペンシルヴェニア州フィラデルフィアのラリー・クラスナー地方検事は5日夕、同市では「基本的に」スムーズな選挙当日を迎えたが、2件の例外的事案があったと記者団に語った。 一つは投票所に対する虚偽の爆破予告だった。市内のすべての投票所ではその後、安全が確認された。23分間にわたり投票が中断された投票所1カ所については、投票時間が延長されたという。 同市ではこの日、男が投票所で爆破をほのめかす出来事もあった。脅迫的な発言をしたこの男は拘束された。 激戦州ジョージア州デカルブ郡では、警察が複数の投票所で爆発物の捜索を行った。同郡は人口の過半数を黒人が占める。2020年大統領選では民主党のジョー・バイデン候補(当時)に圧倒的な票を投じた。 黒人の多い同州フルトン郡の5つの投票所では、爆破予告を受けて投票が一時中断され、投票の締め切り時刻が延長された。 FBIとジョージア州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官は、爆破予告の多くはロシアの電子メール・ドメインから発信されたとみられるとし、虚偽の脅迫だったと述べた。 FBIは、自分たちの最優先事項は選挙の完全性を守ることで、州や地元の捜査機関と緊密に連携しているとしている。 激戦州のミシガンとウィスコンシンでも、いくつかの投票所に対して虚偽の爆破予告があり、投票プロセスが中断された。 ■議会議事堂で逮捕者、発煙筒など所持 こうした中、首都ワシントンの米連邦議会議事堂のビジターセンターでは、照明弾を発射するフレアガンや発煙筒などを所持していた男が逮捕された。男からは「ガソリンのようなにおい」がしたと、連邦議会警察は明らかにした。 議会警察のトマス・メンジャー本部長によると、5日午後12時20分ごろ、白人の男1人が議事堂ビジターセンターの南側入り口から中へ入った。 上着とバックパックを探知機に通したところ、警官は「銃器のかたちをした何か」と「バックパックの中に入った2本のボトル状」のものを確認した。 警官の1人は、男から「かすかにガソリンのにおい」がすることに気がついた。バックパックからは「より強いにおい」がしたという。ガソリンあるいは「何かしらの燃焼促進剤」と思われるものが入ったボトルから、中身が漏れていたとされる。 男は拘束され、後に逮捕されたと、メンジャー本部長は説明した。警察は男の所持品の中から発煙筒やライターなど発見した。バックパックの中には「別の物品」も入っていたと、本部長は付け加えた。 男は所持していた「書類」を議会に届けるつもりだったと話しているという。警察は男がどこから来たのかや、どんな意図があったのか調べを進めている。 メンジャー本部長は、捜査は「継続中」で男は勾留されていると述べた。 (英語記事 Bomb threats at polling sites)
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