ホエールウォッチングの聖地アイスランド・フーザヴィーク 鯨肉は伝統料理
ダウンジャケットにニット帽、手袋……、いつもより膨らんだスーツケースを転がし成田へ。ヘルシンキ経由で北極圏に位置するアイスランドに向かった。国名からイメージしていた“氷の国”は想像を超えていた。
首都レイキャヴィークから飛行機で、アイスランドの北部アークレイリに移動。そこから東に車で約1時間の町、フーザヴィークに着いた。スキャゥルファンディ湾に面する小さな港町だが、ここはホエールウォッチングの聖地だ。時期にもよるが、クジラとの遭遇率はなんと80~90%の確率だそうだ。期待を膨らませ着いたその日に早速、ウォッチングツアーの小型スピードボート乗り込んだ。 ところが、沖に出ては見たものの一向に姿を見せてくれない。それどころか徐々に風が強くなり、波のしぶきが顔に吹き付けてきた。ツアーガイドさんが冗舌に説明してくれてクジラの知識はどんどん身につくのだが、……残念。どうやら確率の少ないほうを引いてしまったようだ。しかし愛らしい鳥、パフィンの群れが見られたのは救いだった。 アイスランドは日本と同じ捕鯨国でもあり、スーパーにもクジラの肉が並んでいる。北海の魚、ラム肉などとともにアイスランド伝統料理の食材だ。 (2017年4月撮影・文:倉谷清文)