【ベトナム】SCGとペトロベト、石化工場拡張で協力へ
タイの素材最大手サイアム・セメント(SCG)は、ベトナム南部バリアブンタウ省のロンソン石油化学(LSP)コンビナートの拡張事業で国営ベトナム石油ガスグループ(ペトロベトナム)の協力を得る方針だ。拡張工事は7億米ドル(約1,050億円)を投じてエタンの貯蔵施設を整備する。ベトナム外資系企業協会(VAFIE)の電子メディア「インベスター」が伝えた。 SCGのタマサック社長兼最高経営責任者(CEO)が3日、ペトロベトナムのレ・マン・フン会長と会談し、協力を要請した。フン会長は原材料・資材などの供給や設備のメンテナンス・修理、拡張工事の各方面で協力する用意があると述べた。 LSPコンプレックスは2023年12月に試験運転を実施し、今年9月30日に商業運転を開始した。ナフサやプロパンを原材料としてポリエチレンとポリプロピレンを生産していたが、生産コスト上昇と需要減速で採算が合わず業界が供給過多に陥っているとして、2週間後に稼働を一時停止。再開は早くて6カ月後になるとの見通しを示した。 SCGはエタンの貯蔵施設を整備し、エタンを原材料に加えることで、コスト競争力を高める狙いだ。LSPコンプレックスのフル稼働時の生産能力は年間140万トンとされている。