イースタン・リーグ日本ハム対西武　鎌ケ谷での最後の登板を1回無失点に抑えた日本ハム鍵谷（撮影・水谷京裕）

＜イースタン・リーグ：日本ハム4－0西武＞◇20日◇鎌ケ谷 　今季限りでの現役引退を表明している日本ハム鍵谷陽平投手（33）が、思い出の詰まった2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷でのラスト登板を3者凡退で締めた。西武戦の7回に3番手で登板。1回10球を投げ、無安打無失点に抑えた。試合後はナインの手で7度、宙を舞った。25日には1軍のエスコンフィールドでの楽天戦後に引退セレモニーも予定されている。 　鍵谷の名前がコールされると、スタンドから温かい拍手が送られた。「やっぱりジーンとくるものもありました」。思いを込めたマウンドは最速147キロを計測。高木を三ゴロ、コルデロを左飛、山村を右飛に仕留め、チームメートと笑顔でハイタッチした。「抑えられて良かったなっていう思いと、いいボール投げられたっていう感じもあった」。晴れやかに鎌ケ谷でのラスト登板を振り返った。 　北海から中大を経て、12年ドラフト3位で日本ハムに入団。同期には大谷（現ドジャース）がいた。当時の栗山監督は、鍵谷に注目ルーキーの「生活指導」を任せた。この日の登板を見届けた栗山氏は「考え方だったり行動だったり、いろんなことを理解してる選手が教えてあげながら一緒に生活する。我々が24時間ついてるわけにはいかないんで」と回顧。鍵谷の誠実な人柄は、プロで12年間を過ごした今も、変わらない。試合後、仲間の手で胴上げ。16年にともに主力として日本一となった中島から、花束が手渡された。 　育成契約で日本ハムに復帰した今季は、7月に支配下に昇格したが、1軍登板は0。「もちろんチームの戦力になりたいという思いで毎日過ごしてはいたんですけど、それと同時にどう自分を終えるか、どう過ごしていくかを考えながらだった」。25日にはエスコンフィールドでの楽天戦後に引退セレモニーも予定されている。「たくさんのみなさんに見ていただけるのは最後になる。感謝の思いを持って、その1日を過ごしたいと思います」。通算419試合登板で、25勝（15敗）、84ホールド、7セーブ。最後は故郷・北海道で、プロ野球人生に幕を下ろす。