<薬屋のひとりごと>メイクで別人に変装した壬氏と猫猫が街歩き! 微笑ましいやり取りも壬氏の一言で距離ができる2人…
日向夏のライトノベルをアニメ化した「薬屋のひとりごと」(毎週土曜深夜0:55-1:25、日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかにて配信)の第17話が2月3日に放送された。ひょんなことからお互いに変装し、街を歩くことになった猫猫と壬氏。楽しげだった空気が壬氏のとある一言で変わり、猫猫が見たこともない表情を見せた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】壬氏(CV.大塚剛央)の顔に化粧をする猫猫(CV.悠木碧) ■「薬屋のひとりごと」とは 同作は、日向夏の小説を原作とする後宮謎解きエンターテインメント。小説は「ヒーロー文庫」(イマジカインフォス)より刊行中で、「ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)および「サンデーGX」(小学館)でのコミカライズも展開されており、シリーズ累計2400万部を突破。中世の東洋を舞台に、「毒見役」の少女・猫猫が宮中で起こるさまざまな難事件を次々に解決する姿を描く。 TVアニメは長沼範裕監督(「魔法使いの嫁」や「劇場版 弱虫ペダル(2015)」など)のもと、TOHO animation STUDIOとOLM(「オッドタクシー」や「古見さんは、コミュ症です。」など)がタッグを組みアニメーション制作を担当。CVは猫猫役を悠木碧、壬氏役を大塚剛央が務める。 ■猫猫のメイクで別人に変身した壬氏 ある日、猫猫は壬氏に化粧をしてほしいと頼まれる。ただでさえ美しい壬氏が化粧などしたら争いが起きて、国が滅びかねないと躊躇する猫猫。だが、その目的は化粧で別人になり、平民に紛れ込むためだった。 それならと納得し、猫猫は壬氏を変身させようとするが、たくさんの壁が立ちはだかる。近くで見ても隙のない白くてキレイな肌に、艶のある長い髪。着痩せしているが、ほどよく筋肉がついた引き締まった身体。そばに寄れば、最高級の香木の匂いが漂う。さらには、声まで美しい壬氏を平民に見せるのは相当難儀だった。 しかし、猫猫は花街で生まれ育った身。化粧の心得がある彼女は、日焼けして見えるよう肌におしろいを塗り、体にはさらしを巻いて不恰好な体型に……とあの手この手で壬氏を別人に変えていく。とはいえ、完全に美貌を隠し切れたわけではなく、変装しても“二枚目半”くらいには見えてしまう壬氏だが、劇的とまではいかないところが逆にリアルだ。 こうして一仕事終えた猫猫は久しぶりに休暇を取り、里帰りしようと考える。しかし、高順(CV:小西克幸)の強引な提案で壬氏の目的地である花街の手前にある飯屋まで付き添うことに。壬氏の部屋付き侍女として顔が割れている猫猫は、自身も変装する羽目になってしまった。 ■楽しげな街歩きが壬氏の一言で一変 そばかすメイクではない化粧と水蓮(CV:土井美加)の娘の衣装を借り、良家の娘風に変身した猫猫。壬氏はそのお付きの壬華(じんか)として振る舞いながら、2人は街を歩く。いつもよりテンションが高い壬氏は猫猫の反応を楽しんでいるようにも見えるが、日頃の役割から解放されたいという気持ちの表れでもあるのかもしれない。 その頃、壬氏が子供の時に遊んでいたおもちゃを片付けていた水蓮。幼い頃から壬氏は一つのおもちゃに執着する性格だったよう。だが、高順は「それが許される立場ではありませんから」と語る。彼が猫猫に付き添いを頼んだのは、少しの時間だけでも壬氏に自由を味わわせてあげたいという優しさなのだろう。 鼻歌を口ずさんだり、「話すことがない」と猫猫が黙っていることにいじけたりと子供っぽい表情を見せる壬氏。仕方なく串焼きを買い、「冷めないうちに食べましょう!」とヘヘヘッといたずらっぽく笑う猫猫も愛らしい。王宮という場所を出たことで2人の距離がより一層近づいたように思えた。 しかし、「妓女の価値を下げるにはどうすればいい?」という壬氏の一言で猫猫の表情は一変。その質問が不愉快であることを伝えた上で、猫猫は手付かずの花を手折ること、子を孕ませれば、価値などないに等しくなると冷たく言い放つ。今まで見たことのない軽蔑の眼差し。もしかして、彼女は客に孕まされた妓女から生まれたのだろうか。だとすると父親は……。 壬氏の行く飯屋に“飯盛り女”と呼ばれる遊女がいることがわかり、猫猫の中で彼に対する誤解も生まれてしまったよう。せっかく近づいた2人の心の距離が、ラストで一瞬にして離れてしまった第17話に、「『妓女の価値を下げる』に反応する猫猫の目つきおっかねえ」「笑えるシーンが多かったのに、ラストでずしりと重い話」「羅漢が子を孕ませたとすればその子供はやはり…」「猫猫、壬氏様のこと誤解してそう」という感想が挙がった。 ◆文=苫とり子