かつては広島の街のシンボルだった…展望レストラン解体進む 閉館のひろしま国際ホテル 地道な手作業、年末まで【動画あり】
5月に閉館したひろしま国際ホテル(広島市中区)で、最上部にある円形の展望レストランの解体が進んでいる。重機が使えないため、柱や梁(はり)を人力で切断し、作業員が手で運ぶ地道な作業だ。繁華街のシンボルとして親しまれた展望レストランは、年末にかけて姿を消す。 【写真多数】解体前の展望レストラン外観など レストランや会議室があったのは9階から13階までの約20メートルの部分で、最大直径約17メートル。足場を組み、10月10日に取り壊しが始まった。地上から解体できる超大型重機は、設置する敷地がない。重機は8階まで上げられるが、アームが最上階に届かない。このため人力で解体している。 回転式の展望レストランは、10月末時点で既に屋根を撤去した。作業員は柱や梁をガスで切断し、持ち運べる大きさにして、エレベーターがあった空洞から8階まで落としていた。重い部材はウインチで釣り下ろす。 木製の床はバールで剝ぎ取り、コンクリートは電動ハンマーで壊す。解体を担う桑原組(西区)の吉川武志作業所長は「手作業での解体は重機より工程が多く、3~5倍くらいの日数がかかる。人手も必要だ」と苦労を語る。 最上階と、会議室や事務所として使われていた12階は手作業で年末までに解体する。その後は重機を使い、建物は来年10月までに完全に取り壊す。
中国新聞社