【新型XSR900GPの元ネタ】ヤマハのレースヒストリーを牽引した“YZR500”ふりかえり
1980年代ネオレトロの潮流
レプリカ、インスパイア、オマージュ、リスペクト、パロディ…。元ネタに似せるスタンスにはさまざまな表現方法があるよね。とくにネオレトロ系のバイクはこの表現方法の代表例となっていて、最近では80年代風なスタイリングの車両も現れ始めているよね! 今大注目のXSR900GPはまさにその世代! 【この記事の写真をまとめて見る】ヤマハのレースヒストリーを牽引した“YZR500”ふりかえり 今回はXSR900GPとその元ネタ、GPレーサーYZR500がどうリンクしているのかを語っていこうかな!
XSR900GPってどんなバイク?
XSR900GPは2023年7月にイギリスで開かれたグッドウッド フェスティバル・オブ・スピードというモータースポーツイベントでお披露目され、その後、ヨーロッパと日本で揃って発表となりました。2023年のEICMA・ジャパンモビリティーショーや、2024年のモーターサイクルショーでも展示されて大人気だったね! XSR900GPは、名前で分かる通りXSR900をベースにしたヤマハのネオレトロ系バイクで1980年代のレーサーをモチーフにしています。当時のレーサーを彷彿させる低いスクリーンにハーフカウルやセパレートハンドル、別体になったナックルバイザーの設置、カウル上部を支えるステーやその固定部分へのベターピン使用等、レーサー風なスタイリングを表現するためのヤマハのこだわりが窺えます! XSR900GPの開発コンセプトは「The Embodiment of Yamaha Racing History =ヤマハレースヒストリーの体現者」というもの。「ロードレース世界最高峰でのYAMAHAの足跡とスピリッツを表現しています」というその開発コンセプトはオマージュ元となった1983年のYZR500「0W70」、そしてYZR500というグランプリマシンを追っていくとよく分かるんです! ここからはYZR500の物語を0W70を中心に紐解いていこう!
YZRが登場した頃の世界GP
世界GPこと「ロードレース世界選手権」は、MotoGPをはじめとする各クラスに分かれた2輪ロードレースの最高峰カテゴリーの総称だね。で、1970年代には2ストロークエンジンの車両も4ストロークエンジンの車両も排気量500cc未満のマシンで競うレギュレーションだったんです。そうなると当然ハイパワーが狙える2ストロークエンジンを採用する車両がほとんどとなっていました。 当時は、レースから離れていた日本メーカーが最高峰である500ccクラスに続々復帰していく中で、ヤマハYZR500をはじめ、スズキRG500、ホンダNR500など独自の思想や技術を使ってまとめ上げられた個性的なレーサー達が続々登場した時代でした。