桐さん(黒部)児童文学賞 「タヌキのぜんじろう」 県児童文学祭・童話コンクール
●10月6日、大島絵本館で授賞式 第51回富山県児童文学祭(県児童文学協会主催、富山新聞社後援)の童話コンクールの入賞者が決まり、最高賞の富山児童文学賞に桐香織さん(51)=黒部市荻生=の「タヌキのぜんじろう」が選ばれた。10月6日に射水市大島絵本館で開催される児童文学祭で授賞式が行われる。 コンクールには県内外から55編が寄せられた。県児童文学協会の魚瀬ゆう子会長らが選考し、最高賞のほか、優秀賞10編、優良賞10編、佳作11編を選んだ。 「タヌキのぜんじろう」は、いたずら好きのタヌキのぜんじろうが、神様に罰として姿を置物に変えられてしまったことがきっかけで、改心して人々の幸せを願うようになる物語。魚瀬会長は「タヌキが出てくる話は昔から多く描かれてきたが、一味違ったストーリーになっている。ぜんじろうの心が磨かれ、ほのぼのと温かい結末になった」と評価した。 桐さんは、昔話や児童文学の作品を子どもに話して聞かせる「口演(こうえん)童話家」の父、松井昭徳さん(2007年死去)の影響で17年前から児童文学作品を書き始めた。今年8月に善光寺(長野市)を訪れた際、参道の店で手を合わせた信楽焼のタヌキの置物を見つけ「幸せを願って手を合わせているのではないか」と想像し、21作目となる今作を執筆した。 桐さんは作品と同じ「ぜんじろう」と名付けたタヌキの置物を手に「読んでくれた人の心が明るくなって元気が出るような作品を作っていきたい」と語った。 県児童文学祭は午後1時半に始まり、授賞式後に大島絵本館の菊池政則館長が「富山県の生涯学習」と題して記念講演する。 「タヌキのぜんじろう」は26日付富山新聞文化面の「とやま童話」欄に掲載される。 ●受賞作品と入選者 ◇優秀賞 「母の竹笛」山口弘信(富山市)「木登りの木」渋谷代志枝(小矢部市)「ピアノを囲んで」永井紀恵子(入善町)「ダムのヌシ」瀧川和哉(滑川市)「つばめがおかようちえんの人気者」清水めぐみ(富山市)「まっくら森のおばけちゃん」本川紀実(氷見市)「ただいま のとじま水族館」まつうらともこ(高岡市)「ゆりかごの星へ」のずみ そう(富山市)「けじめの正月」矢竹正美(高岡市)「おねえちゃんだもん」猪原千津子(富山市) ◇優良賞 「ピッコラ」平井眞知子(富山市)「ピーマンのつぶやき」井頭いく井(南砺市)「つながる命」吉田真寿美(砺波市)「わた毛のわたちゃん」塚本麗乃(高岡市)「しあわせのおにぎり」神田万里奈(南砺市)「ふたたびの出会い」石垣美喜子(入善町)「たぶん、あんばやし」楠瀬ちょう(富山市)「わたしの宝物」小西真実(南砺市)「こたつ君」石田裕子(富山市)「地球人は戦争が嫌いなんだ」尾崎まつ枝(高岡市) ◇佳作 小坪比良美(氷見市)玉生ヤスヒロ(富山市)宮林智子(砺波市)福島瑛里(富山市)柴田ひさの(金沢市)高原正毅(南砺市)小川明子(富山市)中村敏夫(富山市)大門英美(氷見市)牧長幸子(高岡市)真岸久子(射水市)