第三者委員会のセクハラ認定を受け、岐阜県岐南町の小島英雄町長（右）は議会に辞職届を提出した（写真・時事通信）

　2月28日、岐阜県岐南町の小島英雄町長（74）は記者会見し、町の第三者委員会の報告書で、少なくとも99件の言動がセクハラ行為に認定された問題を受けて、「お騒がせして申し訳ない」と釈明。近く辞任する意向を表明した。 　小島氏に関しては2023年5月、「文春オンライン」がセクハラ疑惑を報道。町が設置した第三者委員会が、2月27日に調査報告書を公表した。 　報告書では、「頭をポンポンと触られた」などと被害を訴える女性職員らの声を紹介。町長室や役場内などで女性職員の頭や尻を触ったり、背後から抱きついたりする行為など、計99件をセクハラや不適切行為と認定し、「町長職を即時に辞す以外の選択肢はない」と指摘していた。 　小島氏は会見で「報告書は中立性を欠いている」と反論した一方、頭を触るなどの行為は認め、「いまはセクハラと認識している。申し訳なかった」と謝罪。「5月末には辞めたい」と辞意を表明した。 　だが、会見から5時間後、小島氏は、5月末としていた辞任の時期を3月5日にすると発表。記者がその経緯について問うと、こう言い放った。 「こっちにも都合がある。発表したから、いいじゃない。3月5日に辞めるって言ったんやから。新聞記者も、しつこいんやって。個人の心境まで探ったらいかんて。あんたが生まれる前から（自分は町議会）議員している」 　この、小島氏が記者に“逆ギレ”した映像は、2月29日、各ニュースで報道され、SNSでは批判的な声が多く上がった。 《岐阜・岐南町セクハラ町長の記者会見を見ると「大した事じゃない」と思っている典型的な昭和型セクハラオヤジなのが分かる。酷いのは取材に逆ギレし記者に向かって「俺は君たちより先輩なんだぞ」的な発言》 《岐南町の町長みたら70代かあの長崎の誰やったか谷川弥一とかいう裏金キックバックで辞めたじいさんを思い出したわ　ほぼ逆ギレ、記者を馬鹿にしてるが記者は町民を代表してるのがわかってない》 《岐阜の岐南町町長のセクハラ会見、逆ギレしてるけど、自分に非がある人ってキレるよね》 　第三者委員会の調査報告書では、セクハラ・パワハラ以外にも、職員から寄せられた【町長の性格・特徴】として、以下の13項目を指摘している。 （1） トップであるという自己顕示欲が強い （2） 自身への挨拶・礼儀を殊更に重視する （3） 身だしなみを重視する （4） 人事を掌握することを好む （5） 気に入らないことがあると、瞬間的にかっとなり、高圧的威圧的態度をとる （6） 自分がこうだと思ったら、部下からの説明・意見は受け入れない （7） 相手の気持ちに対する配慮に欠ける行動をすることが多い （8） 休日を取ることに否定的な態度をとる （9） 自分の気に入る職員と気に入らない職員とで、対応をあからさまに変える （10） 男女で対応を変える （11） プライベートへの介入を好む （12） 障害者に対する理解が充分でない発言がある （13） 犯人捜しをする 　この調査報告を裏づけるような、小島氏の記者への“逆ギレ”対応。 　小島氏は2月29日、3月5日付の辞職届を町議会議長に提出した。3月1日の議会初日に同意が得られれば、辞職が決定。4月末までに町長選がおこなわれる見通しだ。