51戦無敗で最強バイエルンの12連覇を阻止、日本代表選手も脱帽「レバークーゼン」なぜ強い? 「シャビ・アロンソから物語は始まった」
名選手を監督として招聘
膨大な資金がありながら赤字を絶対に出さない健全経営、スター監督/トップクラスのスタッフが名を連ね、レギュラークラスの選手がそれぞれのポジションに2人以上いるという層の厚さは、国内において他の追随を許さない。《ブンデスリーガとはバイエルンが優勝するリーグ》というのが共通イメージだったとしても何ら不思議なことではない。 1人の若き指揮官がレバークーゼンへやってきたところから物語は始まった。 その男の名はシャビ・アロンソ。現役時代、レアル・マドリー、リバプール、バイエルンといった世界的なクラブ、そしてスペイン代表の中軸として数多のタイトルを獲得したワールドクラスのMFだった。「名選手、名指揮官にあらず」とはよく言われる言葉だが、名選手のなかにはもちろん、名指揮官となる資質を持った人物もたくさんいる。 現役引退後、指導者の道を選んだアロンソは、スペインのレアル・ソシエダのセカンドチームで3年間、監督としての経験を積み、そろそろ次のステップを考える段階にいた。一方レバークーゼンは昨季序盤から不振が続き、ジェラルド・セオアネ監督は解任に。シモン・ロルフェスSDは数ある監督候補の中からアロンソに白羽の矢を立てた。まだプロの世界で結果も出していなかったが、ロルフェスはアロンソの持つ指導者としての資質に確信を持ち、「どんな選択にもリスクとチャンスがある。私は勇敢にチャンスをつかもうと思う」と悠然と言い放ったのだ。
板倉滉が昨季語ったレバークーゼンの強さ
元々高いポテンシャルを備えた選手をそろえていたレバークーゼン。監督に就任したアロンソは瞬く間に選手の信頼を勝ち取り、攻守のバランスを整え、自分達の特徴を出しやすいように修正を加えていく。原則の徹底と鋭いカウンターで勝ち点を重ね続け、終わってみれば22-23シーズンは6位でフィニッシュ。見事ヨーロッパリーグ出場権を獲得している。 昨季対戦した時にボルシアMGの板倉は「前にクオリティ高い選手がいるなっていうのは試合前からわかってましたけど、実際に試合ですごいそれを感じた。ボールの失い方が悪いと鋭いカウンターをあっという間に受けてしまう」と話していたが、今季のレバークーゼンはそこにさらに別次元の速さが加わった。 それは判断の速さだ。そして判断の速さを助けているのがやるべきことの的確な整理。ピッチ上の選手は、それぞれの状況で何に気を付けて、どんな優先順位で、どんなプレーをすべきかが骨身にまでしみている。アロンソ監督のディテールへのこだわりはとてつもなく、それがチームに浸透している。選手は攻撃でも、守備でも、ボールの動きや相手の位置取りから次の展開を予想して、小刻みに体の向きと立ち位置を変えながら準備し続けているのだ。
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