渋野日向子の“14秒後バーディー” 過去にはウッズ、トーマスも同様の場面 ルール解説も
◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン 第3日(1日、米ペンシルベニア州ランカスターCC=6583ヤード、パー70) 5位から出た渋野日向子(サントリー)は7バーディー、3ボギーでこの日ベスト66をマークし、通算3アンダーで首位と2打差の4位に浮上した。2019年AIG全英女子オープンに続く日本人初のメジャー2勝目へ、好位置で最終日を迎える。 “しぶこ劇場”のクライマックスは14番に訪れた。渋野はグリーン奥のカラーからの10メートルをパターで狙った。ボールはカップの左縁で止まったかに見えたが、14秒後にコロリと転がり落ちた。運も味方につける奇跡的なバーディーに「(14番は)半分カップにのぞいていて、風に押された。ラッキー」と笑った。 過去には2005年マスターズでのタイガー・ウッズ(米国)が見せた16番での伝説のチップインバーディー。17年全米プロ選手権で松山英樹と争い、優勝したジャスティン・トーマス(米国)が見せた、カップ横に止まった球がその後吸い込まれた場面などが世界的に有名だ。 ◆ゴルフ規則 13・3aには「ホールにせり出している球がホールに落ちるのかどうかを確かめるのを待つ時間」について、「プレーヤーにはそのホールに歩み寄るための合理的な時間に加え、その球がホールに落ちるかどうかを確かめるためにさらに10秒間待つことが認められている」と明記されている。 ◆カップ縁にボールが止まった後、カップインした世界的に有名な場面 ▼05年マスターズ、ウッズの伝説のチップイン 最終日の16番パー3。ラフとエッジの境目という難しいライから残り15ヤードの第2打をサンドウエッジでチップインバーディー。転がった打球は右に大きくスライスして曲がり、カップ手前で数秒間止まったように見えた後、一転がりでカップへ。大きくガッツポーズし、最終的にはプレーオフで4回目の優勝を決めた。 ▼17年全米プロでのトーマス 当時24歳のトーマスは松山と優勝を争っていた最終日、10番パー5。左に曲げた第1打が木に当たりフェアウェーにはね返った。パットではいったんカップの左縁に止まった球が、約10秒後に落ちてバーディーを奪い、大歓声に包まれた。68で4位から逆転し、メジャー初制覇を飾った。
報知新聞社