1月9日から10日朝にかけ県内で大雪 現在は大雪のおそれはなくなるも積雪や路面の凍結に留意【徳島】
JRT四国放送
強い寒気の影響で、徳島県内は1月9日から10日朝にかけて山地を中心に大雪に見舞われ、徳島市内をはじめ平地でも雪が積もりました。 9日夜の徳島市内では夜9時ごろから雪が強まり、あっという間に車のボンネットが真っ白になりました。 大きな綿のような雪で吉野川市鴨島町でも9日午後10時ごろには道路一面に雪が積もり、歩道では数cmになっていました。 9日から10日朝にかけて、山地だけでなく徳島県内の広い範囲で平地でも雪となりました。 気象台によりますと、徳島県内に3つある雪の観測地点では、三好市西祖谷で30cm、東みよしで2cm、徳島市で1cmの積雪をそれぞれ観測しています。 この雪の影響で、JRや高速道路などの交通機関に乱れが出たほか、凍結によるスリップ事故も多発しています。 雪に見舞われた10日の各地の表情をまとめました。 雪の夜が明けると、徳島県内には一面の銀世界が広がりました。 (河野将明記者) 「午前6時50分の鴨島町です。徳島市から西に向かうにつれ、道路に積もった雪が深くなってきました」 (吉野川市鴨島町の住民) 「(Q.いまから仕事ですか?)そうです。(Q.雪落とすの大変ですよね?)これだけの雪でも、この辺は驚くものね、みんな」 今回の雪は、標高の高い山あいに住む人も驚かせました。 四国放送の「けんみんBOX」に三好市東祖谷の小椋義勝さんから届いた映像、自宅周辺を撮影したものです。 (撮影した小椋義勝さん) 「うわ~、これ。長靴が完全に埋まりそうなぐらい(雪が)あった。うわ~、これ40cmはあるなと。数年ぶり大雪になったな」 一方、子どもたちは冷たい雪もなんのそのです。 (小学生) 「雪だるま作っていた。(Q.学校は?)雪の影響で午前10時からになった」 雪の影響で交通機関は乱れ、通勤や通学の人を直撃しました。 (河野将明記者) 「JRが一部運休している影響で、穴吹駅には構内で待つ人が多くいます」 (高校生) 「いま、この駅に着いた段階で学校から休校の連絡があった。ちょっと立往生」 JR佐古駅で、列車の進路を変える装置が雪で正常に動かなくなり、JR徳島線の一部が運休しました。 そしてJR高徳線とJR鳴門線の一部に、一時遅れが出ました。 (大学生)「(列車)36分遅延。めったにないですね」 また、道路では徳島自動車道の徳島インターチェンジから川之江東ジャンクションまでの間や、三好市池田町と山城町をつなぐ国道32号が一時、通行止めとなりました。 国道沿いには、動きたくても動けないトラックがあちこちで待機。 (トラックの運転手) 「夜中の1時からずっと待機。解除になるまで待てという指示が出てて、僕らも動けない。(Q.10時間どう過ごした?)もう寝るしかないですよね」 物流を担うトラックがストップすれば、当然スーパーには影響が出ます。 (「ユートピアふみや店」の店員) 「仕入れは、連絡があって来れない状態」 食品の仕入れが一部止まったほか、従業員も出勤できず、仕方なく開店時間を遅らせたと言います。 そして事故も相次ぎました。 徳島県警のまとめによりますと、9日午後5時15分から10日午後3時までに、徳島県内では雪の影響によるスリップや転落の事故が少なくとも67件発生しています。 (河野将明記者) 「三好市西祖谷山村に来ています。午後1時半をまわりましたが雪が降り続いていて、歩くと足がすっぽりと埋まってしまいます」 気象台は、10日午前11時前に徳島県内に大雪のおそれはなくなったと発表しました。 しかし、引き続き、積雪や路面の凍結に留意するよう呼び掛けています。 (森本真司アナウンサー) 「今回の雪について、気象予報士の佐々木聖夏さんに解説してもらいます。9日の夜は、徳島ではあまり見られない、北国のような降雪がみられましたね」 (気象予報士 佐々木聖夏) 「はい、そうなんです。今回の雪のポイントを、主に3つ用意しました。1つは『冬型の気圧配置が強まったこと』、そして『上空に強い寒気が流れ込んだこと』、さらに『風向きが西よりだった』ということです。まずは天気図を振り返ります。8日から見てみますと、日本付近は等圧線が縦じまで間隔が狭く、西高東低の冬型の気圧配置が続いて強まっていきました。そこにやってきたのが上空の寒気です。ただの寒気ではありません、年に1回あるかないかぐらいの強い寒気でした。だいたい-6℃以下が入ってくると平地でも雪の目安なんですが、徳島県の近くの上空には9日から10日に日付が変わるころに、-13℃の寒気が入ってきたものと思われます」 (豊成春子アナウンサー) 「ふだん、冬でもなかなかないような強い寒気が入ってきたんですね」 (気象予報士 佐々木聖夏) 「そういうことです。ただ、それだけではありません。今回カギになるのが『西寄りの風が吹いた』ということです。日本海で発達した雪雲が、西寄りの風にのって四国に流れ込んできました。また、瀬戸内海で再び水蒸気を補給して、雪雲が発達して流れ込んできた可能性も考えられます」 (森本真司アナウンサー) 「雪に慣れていないからこそ、実際に雪が降った時に普段からの備えの大切さを感じました。ここまで、気象予報士の佐々木さんでした」