鮮やかに佇む驚異の“鳥のアート”が話題騒然! 鑑賞する角度を一歩ずらすと「ぐにゃり」と歪む仰天さ
観る角度によって出現する隠し要素も
米インサイダー誌は、デイニンガー氏による一連のアート作品を「3Dコラージュ作品」として紹介している。見る角度によって全く異なる印象を与える、と記事は述べている。同誌によると作品の中には、隠し要素が仕込まれたものも存在し、「注意深く観察した者だけが発見できる」仕掛けになっているという。 制作にあたり、コンピューターなどで3次元空間での配置を計画するかと思いきや、そうではないようだ。デイニンガー氏はインサイダー誌に対し、「手元にある素材を使いながら、完璧な物を探し続けます。(素材との)ダンスのようなものです」と語る。 始めに簡単なプランを練るものの、いざ取りかかると即興で組み上げて行くという。米ファッション・アート情報誌のジェジューン・マガジンに対し、デイニンガー氏はこのように語っている。 「しばらく制作を続けていると、人工物の中に生き物(鳥、魚、昆虫など)のパーツや片鱗が浮かんできます。あらゆる所に、くちばしや翼、羽、爪が見えてくる。一種の逆・生体模倣といえるかもしれません」
美しさの奥に込められたメッセージ
斬新な表現手法による作品は、米西海岸のアート・マイアミなど数々のギャラリーで展示されてきた。 デザイン・アート関連のニュースを伝える「クリエイティブ・ブロク」によると、環境問題への警鐘も込められているという。作品には、ゴミ捨て場で廃棄物をあさる鳥やプラスチックを食べる鳥の姿を題材にしたものもある。 デイニンガー氏は、過去にチャレンジした世界一周サーフィンの旅の途中、南太平洋の離島でプラスチックごみを目撃。これをきっかけに、環境問題に取り組むようになったという。 美しさ、立体的な仕掛け、その奥に込められたメッセージと、3段構えで鑑賞者の心を揺さぶるアート作品になっている。
文:青葉やまと