田畑智子 デビュー作再上映で当時回顧 「怖かった相米さんが心の中にいる」
女優の田畑智子が27日、都内で映画「お引越し」(相米慎二監督)4Kリマスター版公開記念舞台あいさつに出席した。 30年前のデビュー作品が再上映され「こういう形でまた見て頂ける機会ができて、感激しております」と喜び。続けて「今、ここで立っていることを、当時の私は想像していなかった。人生を変えた出来事だった」と目を潤ませた。 相米監督との思い出には「11歳の私だから許してもらいたいけど、本当に怖くて近寄らなかった。たぶん逃げてたはず」と本音をポツり。「小学6年生の夏休みをこれに捧げてた」という撮影中も「毎日のように泣いて、皆さんに迷惑をかけ続けた」と振り返った。一方で「私にもこういうことできるんだ。こんな私でも見てくれるんだ」と自信にもなったという。年月を経て、相米さんの偉大さを感じるようになったそうで「今、会ったらなんて言ってくれるかなと思って、仕事をしている。怖かった相米さんが心の中にいる」と変化も明かした。 同作は23年、ベネチア国際映画賞クラシック部門で最優秀復元映画賞を受賞。記念トロフィー(黒獅子像)を見て「『お引越し』くらい大変な現場に出て、これからもたくさんの賞をとりたい。相米さんの名に恥じぬように、もっと一生懸命頑張らないと」と意気込んだ。
報知新聞社