上田不在の中で存在証明の2ゴール、小川航基「苦しいときに点を取れる選手がエース」
[11.19 W杯最終予選 日本 3-1 中国 厦門] 2得点で2024年の代表活動を締めくくった。日本代表FW小川航基(NECナイメヘン)は中国戦で2ゴール。拮抗した展開からの先制点と、勝利を決定づける3点目を決めた。「チームが苦しいときに、点がほしいときに取れる選手がエースだと自分自身思っている」。怪我でFW上田綺世が不在のなか、自らの存在価値を証明してみせた。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 4万人以上が集った完全アウェーの雰囲気をストライカーが跳ね除けた。前半39分、久保建英の左CKを小川がヘディングシュート。「大まかな狙いはあったが、分散してしっかりとコミュニケーションを取れて、バラバラの役割をして入っていけたことはひとつ大きなところ」。9月の最終予選初戦もCKから遠藤航が先制点を決めたが、再びセットプレーで均衡を破ってみせた。 前半終了間際には板倉滉が2点目を決めたが、後半3分に失点。1点差に縮められたなかで、再び勢いを取り戻したのは小川のゴールだった。同9分、右サイドのMF伊東純也からクロスが上がると、ファーサイドの小川が高い打点から再びヘディングシュートを決めた。「相手の勢いを止めるような得点だった」。改めて2点差をつけ、日本は冷静さを取り戻すことができた。 これまで先発を続けていた上田が10月末に負傷。年内の活動を治療に充てることになり、11月シリーズは招集外となった。15日のインドネシア戦で1トップに入ったのは小川。そして中国戦でもスタメンとして2ゴールを挙げ、上田不在の中でエースとしての存在感を高めてみせた。 今回の活動だけでアピールできたといっても、小川はエースの座を手にできるとは考えていない。「彼も非常にすばらしい選手で、日本のために非常に得点を取ってきた選手。代表ウィークでどうこうとかそういう話ではない」。継続して活躍しなければ、上田との高いレベルの争いを制することはできない。「今回彼は怪我でいなかったが、いつでも自分が一番という気持ちを持ってやっている。そこに対しての自信を持ちながらアピールしていければ」とさらなる活躍を誓った。 小川は今年3月に2019年12月のEAFF E-1選手権以来4年3か月ぶりとなる代表入りを果たした。デビュー戦のハットトリックから3月の復帰後は6得点。「今までやってきたことは間違っていなかったというところまで証明できている」と力を込める。「ただ、ここで満足するわけでもなく、しっかりと謙虚に自分に目を向けてやっていきたいと思わないといけない。ただ悪くない、決して悲観するような一年ではなかった」と2024年を振り返った。