ユニコーン×氣志團『SMA50&Uc300祭~横浜ユニパラ團~』1日目ライブレポート
後攻のユニコーンのSEは、一発録りしたと思しき「CSA」の新バージョン「SMA」。「Ah―つわものどもに愛されて50年」という歌詞に、「この曲が出た時は『愛されて15年』だった。35年も経ったのか……」と、改めて気がつく。おそらくこの場にいた全員が、そう思ったのではないか。 メンバーが登場、川西幸一のドラムにOTが叩くカウベルが加わり、「WAO!」でスタート。2曲目=この季節だから選曲したと思われる「あなたが太陽」(リリース時、資生堂アネッサのCMソングだった)と、3曲目=EBIがセンターに出て来てスタンドマイクで歌うさまが、今も昔も変わらない「ペケペケ」の並びに、オーディエンス、大いに湧き立つ。 一回目のMCで、OTが「Uc300ってなんすか、テッシー(手島いさむ)?」と、説明を求めた。テッシー「昨日、私が61歳になって。そうなることにより、EBIさんの10月2日の誕生日までの間、5人足して300歳、ということですね」。なるほど。 そして、最新アルバムからの「ネイビーオレンジ」とセカンドアルバムからの「おかしな2人」。ファストチューン二連発で、客席の温度を上げ放題に上げていく。 OTがクイーカでイントロを奏でる「チラーRhythm」では、四つ打ちのダンスビートに合わせ、天井で回るミラーボールの光が降り注ぐ。曲中でOT、何度も「ヨコハマー!」「ありがとー!」とシャウト。川西幸一は二回目の「ちらちらー!」のところを「氣志團!」に変えて歌った。 打ち込みのバックトラックが響き、ABEDONがリードボーカルをとり、光るうちわを手に前に出てオーディエンスを煽る川西&EBIが、全力疾走で持ち場に戻るや否やバンド演奏に切り替わる「ZERO」では、オーディエンスみんな、大きく腕を左右に振って、バンドのはりきりっぷりに応じた。 続く「大迷惑」で、ステージの左右まで移動しながら歌い、後半では右手でチョイチョイと煽ってオーディエンスにシンガロングをうながすOTを観ていて、気がついた。OT、「ネイビーオレンジ」から「大迷惑」まで、5曲続けてハンドマイク、もしくはスタンドマイクである。通常のワンマンを含めても、ギターを持たない曲がこれだけ続くのは、めずらしい気がする。 そして、ABEDONがセンターに出て、スタンドマイクで歌う「SAMURAI 5」で、“いちばん熱狂”の意味でも“いちばんグダグダ”の意味でも、ライブがクライマックスを迎える。ユニコーン特有のピークタイムである。 サビで、ホールいっぱいにフラッグが振られた後の「あいつが言ったんだ」「なんて言った?」のコーナーでABEDON、氣志團をステージに呼び、團長から「思ったより台風のスピード遅くない?」などの回答を引き出したり、でもバンドは演奏に入らなかったり、氣志團に「整列!」と号令をかけて師弟関係を見せつけたり──などと、楽しいグダグダを、思う存分展開する。 氣志團がはけた後は「アルカセ」。詞がOTで曲がABEDON、叙情的でセンチメンタルなメロディと歌詞のマッチングがたまらないこの曲で本編が締めくくられる。曲に入る前にOTは、「カナケンがある間にやっとけてよかった」と言った。 アンコールの「マチュリー」では、氣志團が再登場。ハッピにタスキという出で立ちで、ユニコーンと共に、この日いちばんのテンションにオーディエンスを導く。客席をバックに記念撮影をし、ABEDONが吹くホイッスルの号令で退場した後、終演SEで再び一発録りの「SMA」がかかる。最初のSEとは違う、ブルージーなバージョンだった。 Text:兵庫慎司 Photo:三浦憲治、永井峰穂(ライトサム) <公演情報> 『SMA 50th Anniversary presents「SMA50&Uc300祭~横浜ユニパラ團~」』 2024年8月28日(水)・29日(木) 神奈川県民ホール ■8月28日(水) 出演:ユニコーン/氣志團 【セットリスト】 ■氣志團 OP. アクセルコール×ドラムソロ 01. 俺達には土曜日しかない 02. 房総魂 03. 服部 04. スウィンギン・ニッポン 05. 萌え萌えROCK'N'ROLL 06. 愛 羅 武 勇 07. ワンナイト・マチュリー 08. One Night Jamboree EN. One Night Carnival ■ユニコーン 01. WAO! 02. あなたが太陽 03. ペケペケ 04. ネイビーオレンジ 05. おかしな2人 06. チラーRhythm 07. ZERO 08. 大迷惑 09. SAMURAI 5(with 氣志團) 10. アルカセ En. マチュリー(with 氣志團)