AI文字起こし&要約ボイスレコーダーがウェアラブルでよりカジュアルに! 『PLAUD NotePin』が日本でも予約開始
■議事録という文化が日本市場成長の期待ポイント 最近AIという見出しの付いていない記事を見ないという日がないというほど、AI技術の発展には驚く限りの状況。日本市場で約1年前から『PLAUD NOTE』を販売しているNicebuild LLCのAI製品ブランド「PLAUD.AI」より、新しい製品『PLAUD NotePin』が登場。2024年10月23日から予約受付を開始、12月上旬から発送・正式発売を開始する。正式発売前に日本法人であるPLAUD JapanCountryManagerのWatson Zhang氏に会社の概要、既存製品と新製品の説明を聞いた。 【写真】重さは約25gと非常にコンパクト Nicebuild LLCは2021年にアメリカで創業した企業で、PLAUD.AIはその中でAI関連を扱うブランド。「Connect AI with Real Life」をミッションに掲げており、世界で25万人以上のユーザーがいる。 日本での最初の製品となったのが、カード型音声レコーダーとなる『PLAUD NOTE』。2023年4月から販売を開始しているが、早くも25万人のユーザーがおり、PLAUD.AI全体の20%を占める重要製品だとZhang氏は説明した。 これまで日本で多くのユーザーを獲得した背景として「日本では会議の議事録を付けるという文化が根付いているのがポイント」とZhang氏。ちなみに最大のユーザー数は本国アメリカ市場だが、こちらはガジェット好きが購入しているそうだ。 本製品に限らずAI系のビジネス展示会に行くと、AIチャットボットや独自生成AI構築支援といった製品以外に、会議の要約を行うソリューションを取り扱う企業を散見する。文字起こしや要約という分野はビジネスマンでも活用の範囲は大きいのだろう。リモートワーカーやクリエイティブワーカー以外にもエンジニアや不動産販売、医師など「(重要説明を)言った・言わない」が問題となる業界に商機を見出しているという。 本製品は文字起こしと要約にAIが活躍。文字起こしに関してはOpenAIのWisperを使用して世界59ヵ国語以上に対応。要約に使用するLLMは現在OpenAIのGPT-4oまたはanthropicのClaude 3.5を使用するなど、実績のある企業の新しいツールを使用しているところも見逃せない。 ■よりカジュアルに、より目立たずに録音が可能に 今回販売される『PLAUD NotePin』はカラーはグレー、シルバーとパープルの三色展開だ。体に取り付けるウェアラブルデバイスとなっており、装着方法も手首に装着するリストバンド、首から下げるネックレス、上着に挟み込むマグネットピンとシャツに挟み込むクリップと4種類が用意されるのが特徴だ。 バッテリに関してはスタンバイ状態で40日間持続し、連続録音時間は20時間となっている。サイズは51×21×11mmで25gと、軽量小型ながら内蔵ストレージは64GB。2つのMEMSマイクを使ってクリアな音声を記録するという。AIと言えど不明瞭な音声から正しい文字を起こすのは難しく、クリアな音声入力をケアするのは正解だろう。 スマートフォンアプリによって本体からBluetooth/Wi-Fiを使用してスマートフォンに転送したのち、スマートフォンからクラウドにアップロードすることでクラウドへのアップロードが完了する。強化されたAI機能も多数あり要約テンプレートなども追加されている。また、文字起こしそのものは一時間の録音を約5分で処理できるという。 パソコンからはWebブラウザ上で保存された音声や文字起こし、要約の閲覧、共有が行えるほか、他の媒体で記録した音声データをクラウドにアップロードすることも可能となっている。 ライセンス形態は基本的にサブスクリプション制。製品を購入することで月300分までの文字起こしと要約作成に対応したスタータープランが永年無料で利用できる。もっと時間が必要な人には月1200分まで対応のプロプラン(年額12000円、月額1980円)と最長12か月で6000分までの文字起こしパッケージ(13000円)で追加可能だ。 どのプランを使用するかは業務によって異なる。筆者のようなライター業の場合、インタビュー記事を受注するならプロプラン、長時間に及ぶ基調講演やパネルディスカッションのイベント記事をたまに請け負う場合はスタータープランに文字起こしパッケージを追加するといいだろう。 今後の検討内容として、より日本語の理解を高めるための追加トレーニング、(ビジネスパートナーとの協業によって)他のアプリケーションとの連携強化、要約に使用するLLMの選択肢を増やすアップデートを予定しているという(Watson Zhang氏)。 プロプランでは業界専門家の知見を要約したプロフェッショナルテンプレートが利用可能となり、この業界別のテンプレートの追加も今後予定している。このあたりの発展にも期待したいところだ。
小林哲雄