D2Cアパレル「ソージュ」のモデラートが5周年 原点回帰に選んだのはアート
パーソナルスタイリングサービス「ソージュパーソナル(SOEJU PERSONAL)」とD2Cウィメンズブランド「ソージュ(SOEJU)」を運営するモデラートは、2023年ブランド設立5周年を迎えた。同ブランドは、“誰もが社会と心地よくつながれる世界”をコンセプトに“自己表現の選択肢を広げる”ことを目的に活動を行っている。5周年を記念し、モデラートは、2023年10月、東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスでアートイベント「The Fitting Room」を開催した。4つの試着室から構成された会場でブランドの哲学である“I like the way I am.(私は私のままでいい)”を表現。アートイベントを開催した理由や思いを市原明日香モデラート代表に聞いた。 【画像】D2Cアパレル「ソージュ」のモデラートが5周年 原点回帰に選んだのはアート
市原代表は、「起業するときは、ロジカル、アート、デザインシンキングが交差していたが、創業5年目を迎えて、ビジネスとして日々数字を追うロジカルシンキングとは異なる価値観が必要だと感じていた」と語る。スタイリングサービスでは、プロのスタイリストが仕事や家事が忙しい30~40代女性にコーディネートを提案。そのサービスから派生した洋服が「ソージュ」だ。意外と見つからない“大人向けの素材”を使用しベーシックかつ程よい価格帯のアイテムを提供している。体型診断などによりファッションに正解が求められるようになり、同代表は、「消費者に寄り添うことで正解を提示しているのではないか」と感じるようになった。モノづくりに関しても、「1+1=2ではなく、その背後にある熱量を伝えることが大切だ」と5周年が、ブランド哲学やそれを伝える方法について考えるきっかけになった。
究極の目標“北極星”をアートに例えた
モデラートの出資企業の一つにポーラ・オルビスホールディングスがある。その公益財団法人ポーラ美術振興財団が運営するポーラ美術館で開催した全社の合宿で出合ったのが、 “アートは否定しないし、回答がない”という価値観だった。「アートは、サイズや性別、国籍など関係ないので、広い範囲にメッセージが届く。D2Cビジネスとアートは、つながりがなさそうに思えるが、迷う気持ちや言葉にできないものを発信できるのはアートしかないと思った」。市原代表は顧客に到達してほしい境地“北極星”をアートに例え、内なるファッションを伝えるにはアートしかないと考えた。「“北極星”と向き合うということは、コレクションブランドにとっては、ファッションショーがその手段かもしれない。私たちにとっては、それが答えのないアートインスタレーションだった」と同代表。