信じられない…大ケガから復活した名選手(5)何度も甦った”天才打者”
プロ野球のキャリアでは、故障が大きな影響をもたらすことがある。長期離脱することなく現役を全うし、”鉄人”とも呼ばれる選手もいる一方で、選手生命を脅かすほどの大けがに見舞われた選手もいる。今回は、現役引退も考えられるほどの大けがから復活を遂げた名選手を紹介する。
前田智徳
「孤高の天才」と呼ばれた前田智徳は、2度の大怪我から這い上がった。 1989年ドラフト4位で広島に入団。高卒2年目の1991年から外野のレギュラーへ定着すると、同年はゴールデングラブ賞を獲得。翌1992年には打率.308、19本塁打、89打点、18盗塁の成績を残し、ベストナインにも輝いた。 順調な成長曲線を描いていた前田だったが、1995年5月、走塁時に右足アキレス腱を断裂。選手生命を脅かす大怪我に見舞われた。懸命にリハビリへ励み、1996年の開幕戦で復帰。以降は故障で離脱するシーズンも多かったが、1998年には打率.335をマークし、首位打者のタイトルにも肉薄した。 2000年には、2度目の大怪我に見舞われる。今度は左足のアキレス腱を痛め、シーズン中に手術を決断。翌年も27試合の出場に終わった。しかし、不屈の精神で2002年に再び復活。同年は123試合に出場し、打率.308、20本塁打の好成績でカムバック賞を受賞した。その後も天才的な打撃技術で広島打線を牽引。キャリア晩年は代打の切り札としても活躍し、通算2119安打を放った。
ベースボールチャンネル編集部