大関琴桜「あとはやるしかない」 横綱昇進へ「心技体」を充実させる 初場所は東の正位
日本相撲協会は23日、大相撲初場所(来年1月12日初日、両国国技館)の番付を発表し、11月の九州場所で初優勝を果たして初の「綱とり」に挑む大関琴桜(27)は東の正位に座った。千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で会見に臨み、横綱昇進には心技体の充実が必要と強調。母方の祖父で先代師匠の元横綱琴桜(故人)と同じ番付最高位へ。華やかな新春の土俵で、孫が力士を志したときからの悲願をかなえる。 近いどころではない。実際に「横綱」は手を伸ばせば届くところにある。佐渡ケ嶽部屋の上がり座敷。その中央には祖父の元横綱琴桜が不知火型の土俵入りで締めた綱がケースに入れられ、飾られているからだ。その綱を背にして会見に臨んだ琴桜は、初めての綱とりに覚悟をにじませた。 「考えようと、考えまいと場所はやってくる。チャレンジできることに感謝して、あとはやるしかない」 祖父と同じ番付最高位へ。横綱は遠くて近い存在だった。横綱が誕生すると、東京・明治神宮で行われる横綱推挙式で、協会から「横綱推挙状」が授与される。琴桜は幼少のときから額に入れて飾られていた祖父の推挙状をずっと目にして育ってきた。推挙状にはこう書かれている。「品格力量抜群に付 横綱に推擧す」。琴桜は祖父の大きさを改めて感じながら「心技体がそろわないと…。全体的に整ったものがないと、上には上がれない」。 今月中旬。琴桜は自ら寝具を購入した。イタリアのブランド「マニフレックス」のマットレス(日本・アジア総代理店=フラグスポート)だ。腰痛を経験したこともあって、入門して2年ほどたったときから適度な硬さ、反発力のある同社製のマットレスを愛用している。今回手にしたのはブランドを代表する人気モデル「フラッグFX」。冷感タイプの上敷きパッド、枕も合わせた。「体が資本の仕事だから、長く使わせてもらっている。今回は材質(芯材)が違うみたいで、しっかり支えられて寝心地がとてもいい」 祖父から「心」を学び、日々の鍛錬で「技」を身につける。そして、寝具ひとつにも気を配って「体」をいたわり、果報を寝て待つ。(奥村展也)