【気象予報士が解説】「記録的な雨」って何?日ごろからそなえておくべきことは??
「記録的な雨」の前にこれだけはやっておきたい!
報道で「記録的な雨」を伝えるのは、単に「新記録すごいでしょ」と言いたいわけではありません。「記録的な雨」が降るということは、その地域が経験したことのない量の雨が降ることになるため、これまで災害がなかった地域でも災害が起きてしまう可能性が高い、と伝えようとしているのです。 では、どういう災害が起きるのか? 不思議に思われるかもしれませんが、雨が大量に降った場合に、どういうタイプの災害が起きやすいかは場所ごとに地形によって決まっているので、じつは大雨によって「意外な災害」が起きることはありません。 そして、自宅などがどういう災害の起きやすい場所にあるかは、ハザードマップで誰でも無料で調べることができます。ちなみに日本では、全世帯の8割近くの人が大雨災害の危険性が低い場所に住んでいるため、あらかじめハザードマップを見ておくことで、大雨時にむやみに外に出て被災するのを防ぐことができるのです。
「記録的な雨」は数字だけじゃわからないことを教えてくれる!
気象予報士として仕事をしていると、ときどき「何mm以上だと大雨になるの?」と聞かれることがあります。しかし、そもそもふだんからどのくらい雨が降るかが地域ごとに全然違うので、数字だけでは判断できないことが多いのです。 一方、「記録的な雨」と言う場合は、その地域においてまさに記録になる雨なので、間違いなく危険だということがすぐわかります。とくに1時間あたりの雨の量が記録的になる場合は、短時間で判断して行動を起こさないと間に合わない場合も。 あらかじめ自宅がどういう危険のある場所にあるかを調べておき、家族とも話し合っておくことで、いざというときにあわてないようにしたいですね。 ■執筆/植松愛実さん 気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。 編集/サンキュ!編集部 ※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
サンキュ!編集部