【人食いバクテリア】壁を拳で殴ったら、そこが腫れて発症した例も…水虫もほうっておいたら危ない?
「もしかしたら忘れているだけかもしれないが」と言うけれど、記憶に残らないほどの軽度の打撲や傷から発症しているのかもしれない。 「原因はわからないけれど、腫れてきて、その部分が痛くなってきた。熱をもってきたという症状が出たら、医療機関で受診することをお勧めします」 ◆街中のクリニックでは「劇症型溶連菌感染症」と診断できないこともある この病気が怖いところは、受診しても安心できないということだ。なぜなら、クリニックでは劇症型溶連菌感染症と診断することがむずかしいから。 「劇症型溶連菌感染症だと診断するためには、腫れている部分を切開して、組織検査をしなければなりません。けれど、比較的規模の小さいクリニックでは腫れているところを切開しようとは考えないでしょう。多くの場合、抗生剤を処方して経過観察という対応になると思います。 たいていの場合、それでいいんです。けれど、その中に劇症型溶連菌感染症が混ざっているから困るんです」 処方された薬をつけても改善しない。そのうち痛みはどんどんひどくなる。 「当院に来られた方の多くは、皮膚科や整形外科などのクリニックを先に受診している。そのうち痛みで歩けなくなったり、血圧が低下して意識もうろうとなり、救急車で運ばれてくるというケースが多いです」 西條医師が診た患者さんの中で亡くなった人はいないが、壊死した部分を切断したり、壊死した組織を切除するために8回も手術を繰り返した人もいるとか。 それにしてもなぜ今年になって急拡大しているのか。一説にはコロナ禍のとき、清潔を心がけて過ごしたため免疫力が下がり、そのために細菌に感染しやすくなっているのではといわれているが、 「さまざまな機関で研究されていると思いますが、原因はわかりません」 こんなにもわからないことが多いのは、これまで罹患者が少なかったから。データが少ないために正体を明らかにすることは難しいのであろう。 「罹患した人の貴重なデータなどを統合して、早期診断につながる病気の特徴を医療従事者と共有できるようにしていきたいと思っています」
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