「自由な意見のスポーツ」ならでは。繰り広げられる解説者vs監督の戦い
解説者が苦言、監督が反論
それにしても、最近は「解説者vs監督」の論争が多発している。2月には元ユナイテッドのギャリー・ネビル氏がUEFAチャンピオンズリーグ16強のコペンハーゲン戦でのシティについて「見ていられなかった。正直、つまらないと思った。彼らの試合を見るのがつらかった」とポッドキャストの番組で発言。これに対してペップは「誉め言葉をありがとう」と皮肉を込めた後で「フットボールは難しいんだ。何年間も勝ち続けるのはね。この言葉を忘れないで欲しい。簡単そうに見えるが、そうじゃないんだ」と続けた。 ネビル氏はチェルシーの監督ともやり合った。2月のカラバオカップ決勝で解説を務めたネビル氏は、若手主体の手負いのリバプールに敗れたチェルシーについて「青い10億ポンドの“ボトルジョブズ”」と言い放ったのだ。“ボトルジョブ”とは、肝心な時に気概を見せずに失敗することを意味する。これに対してチェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は「親愛なるギャリーよ、ああいう言葉を勇敢なチームに使うのはフェアじゃないよ」と忠告した。 同じく『Sky Sports』で解説を務める元リバプールのジェイミー・カラガー氏も監督の怒りを買った。カラガー氏はユナイテッドがフラムに1-2で敗れた2月の試合を分析しながら「こんな守り方は見たことがない。低い位置でブロックを敷きながらハイプレスを敢行するなんてね。それは不可能だ」とユナイテッドの戦術を批判したのだ。 するとユナイテッドのエリック・テン・ハフ監督も黙ってはいなかった。「とても客観的で良いアドバイスを言える解説者もいれば、とても主観的な解説者もいる。ジェイミー・カラガーがその1人だ。彼は最初から否定的だったし、こうして自分の意見を主張する」と反撃したのだ。 今はどんな発言でもSNSで切り抜かれて拡散されるため、以前よりも言葉の重みが増しているのかもしれない。それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、誰もが自由に意見できるのがフットボールの魅力なので「解説者vs監督」の舌戦も醍醐味の1つとして楽しむべきなのだろう。