【ハイライト動画あり】スピアーズ、連覇の夢遠のく。ブルーレヴズは後半大反撃で熱きドローに
しかし、スピアーズが80分を通して挙げる得点は、それから10分後に生まれたFB島田悠平のトライまでだった。 その攻撃も、サポートが湧き出て奪ったもの。勢いは、さらに増すと考える人が多かっただろう。 つくづく思う。ラグビーは深く、勝負は簡単ではない。
24点差をつけられてもブルーレヴズの闘志は消えていなかった。 もともと、後半にパンチ力のある選手たちを投入して試合の主導権をつかむプランを描いていた。 藤井雄一郎監督は、「(先に)点を取られ過ぎましたが選手たちは諦めていなかった」と話した。
熱烈なファンの応援とともにチームに勇気を与えたのは、若い力だった。 後半の最初から投入された25歳、今季からチームに加わったNO8シオネ・ブナ(日野レッドドルフィンズから移籍)が躊躇のないボールキャリーで前に出る。
12分、13分にピッチに入ったLOヴェティ・トゥポウ、PRショーン・ヴェーテーは、それぞれ摂南大、環太平洋大から今季途中にアーリーエントリーで加わった選手たちだ。 ヤングパワーの作り出したモメンタムもあり、CTBチャールズ・ピウタウらの実力が相手を翻弄するようになる。9分、18分、34分とトライを重ねて26-31と迫った。
試合終盤に近づく時間帯、スピアーズは反則の繰り返し、危険なプレーで、続けざまにイエローカードを受けて人数を減らしていった。 声援のボリュームが大きくなった後半38分には13人になっていた。
5点リードでその時を迎えたスピアーズの立川主将は試合後、ラストシーンのプレー選択を、SOに入っていた自身と、NO8ピーター・ラブスカフニ、SHを務めていた岸岡智樹と話し合い、決めたと話した。
13人対15人と2人少なく、自陣ゴール前でのマイボールスクラム。そこからFWの近場でブレイクダウンを繰り返し、時間の経過を待つことにした。 残り2分で組んだスクラムから、フェーズを積み重ねること8回。キックオフから80分が経過したことを告げるホーンがなる中で平川哲也レフリーが笛を吹き、右手があがる。ブルーレヴズにPKが与えられた。