スペイン代表、背番号10の系譜(3)「4人の創造主たち」。だが…世界最強、その中で
スペイン代表の背番号10は呪われているのだろうか。他国では英雄的な番号であっても、この国で「10」のユニフォームをまとった選手たちはワールドカップの大舞台でさしたる存在感を残せていない。初優勝を果たした2010年南アフリカワールドカップでさえも。そんな悲しい運命を背負った男たちの系譜を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの。
南アフリカワールドカップ
背番号10:セスク・ファブレガス(アーセナル) 生年月日:1987年5月4日(当時23歳) 個人成績:4試合出場/0得点1アシスト 監督:ビセンテ・デル・ボスケ 戦績:優勝 スペイン代表が44年ぶりの優勝を果たしたEURO2008ではシャビ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバとともに「クアトロ・フゴーネス(4人の創造主たち)」の一角として確かな存在感を放ったセスク・ファブレガス。その大会と同じく背番号10を任された南アフリカワールドカップだったが、チーム内での立場は全く違った。 中盤にはセルヒオ・ブスケッツなどが台頭しており、スペイン代表が初優勝を果たす過程でセスクの先発起用は一度もなく、途中出場も7試合中4試合にとどまった。それでも87分から途中出場したオランダ代表との決勝、延長後半の116分、ペナルティエリア手前で相手DFのクリアミスを拾って冷静にイニエスタの劇的決勝ゴールを演出したのがセスクだった。 ルイス・アラゴネス監督が志したショートパス主体の「ティキ・タカ」と呼ばれる華麗なサッカーで欧州の頂点に立ち、バトンを引き継いだビセンテ・デル・ボスケ監督とともに世界の頂点を極めるにあたって、セスクはどんな立場であれチームに欠かせない存在であり続けていた。
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