菊駒酒造(青森・五戸町)が破産手続き開始 負債1億5千万円 2023年7月に生産停止
信用調査会社の東京商工リサーチ、帝国データバンクの両八戸支店によると、青森県五戸町の菊駒酒造(三浦弘文社長)が20日までに、青森地裁十和田支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンク八戸支店によると、負債は2023年9月期末で約1億5500万円。破産管財人は十枝内亘弁護士(十和田市)。開始決定は今月7日付。 両支店によると、同社は1910年、三泉酒造として設立。銘酒「菊駒」の蔵元として知られたが、44年、戦時の企業統制令により八戸酒類に加盟した。戦後は工場を借りた同社が「菊駒」を製造していた。 2006年、菊駒酒造として株式会社化し独立。08年に「菊駒」の生産を再開した。 日本酒離れ、コロナ禍の需要減によって販売が低迷し、23年7月の出荷を最後に生産を停止。23年9月期の売上高は約5900万円にとどまった。同年9月末で従業員8人全員を解雇し、酒類卸と不動産賃貸のみを継続していたが、資金繰り改善のめどが立たず、事業継続を断念した。