視力と聴力が低下することも?軽視される「帯状疱疹」の恐怖 新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない
脳梗塞や心筋梗塞も帯状疱疹後に増加するし、下半身が麻痺する、排尿や排便ができなくなるなど、神経が障害を受けた部位によってさまざまな合併症が起きる。神経そのものが障害を受けているので、回復はほとんど期待できず、そのまま後遺症となる。そして、どの部位に帯状疱疹が生じ、どのような後遺症が現れるかは事前にはわからない。我々にできることは、なるべく有効なワクチンを接種することと、日常生活でストレスを溜めないなど生活に気をつけることだけだ。
東京都では、この4月からすべての自治体で50歳以上の住民を対象とした帯状疱疹予防ワクチンの費用助成が始まった。全国では600以上の自治体で助成が受けられるようになっている。東京都の場合は、自治体によって額の差異はあるが、生ワクチンなら5000円、不活化ワクチンは1回1万円ほどの補助が受けられ、4万円のシングリックスが半額の2万円となる。ぜひ活用いただきたい。
久住 英二 :内科医・血液専門医