「簡単にはいかなかったけど、いつの日か」JRP近藤真彦会長、模索したF1とスーパーフォーミュラのレース併催について語る
2024年4月に鈴鹿サーキットで行なわれるF1日本GPでは、スーパーフォーミュラのレースを併催することを目指す動きがあったことが明らかになっているが、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)の近藤真彦会長は、引き続きF1でのレース併催を選択肢のひとつとする意向を明らかにした。 【ギャラリー】2024年スーパーフォーミュラ開幕戦の様子 2024年のスーパーフォーミュラは例年より1ヵ月早い3月開幕となり、続く第2戦は5月のオートポリス戦となっているが、JRPは今年から4月に移動となったF1日本GPでもスーパーフォーミュラのレースを開催するということを模索しており、昨年末にJRPの上野禎久社長はmotorsport.comの取材に対し「2024年のF1日本GPでの併催については、社内、そして関係者を含めて、可能性を検討・模索しました。開催の可能性を探り、開催に向けた意思表示はしました」と明かしていた。 開幕戦鈴鹿のレースウィークに行なわれたJRPの記者会見で近藤会長にこの件について尋ねると、彼は次のように答えた。 「とても簡単にはいかないことだったなと、すごく感じました」 「ただ、我々側もF1側も少しずつ歩み寄れています。いつの日かF1の舞台でスーパーフォーミュラのエキシビションではなく、レースが見れるような、そんな努力をしていきたいと思います」 そう語った近藤会長。それはつまり、今後もF1との併催を模索し続けるということなのかと改めて確認すると、「もちろんです」と語った。 ただその一方で、JRPにとってF1日本GPでのレース併催が至上命題なわけではないと強調するのは上野社長だ。「F1の併催だけにこだわっているのではなく、様々なフィールドで我々のレースをお見せしたいという思いがありますから、あくまでワンオブゼム(数あるものの中のひとつ)です」と上野社長は補足した。 また上野社長は、今季は7大会9レースとなっている開催数についても十分だと感じていないと語る。「レースマイレージを増やしていかないとこのシリーズの価値が上がりませんから、色々なところで機会を検討していきたいと思っています」として、海外での開催も視野に入れていると話したが、「これは我々だけの話ではなく、チームのコンディションなどもありますし、我々の検討すべきことはたくさんあります」とやや慎重なコメントであった。 ただその一方で近藤会長は、各チームとの個人的なヒアリングの中では、大半のチームが開催数増加に賛成していることを明かし、「前向きに調整したいと思っています」と述べた。
戎井健一郎
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