医療ドラマ初主演の杉咲花さん。「記憶障害を抱える脳外科医」を演じて感じたこと
“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公が注目を集めている医療ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』。記憶障害を抱えた脳外科医・川内ミヤビを演じる杉咲花さんに、作品への意気込みをうかがいました。
初めて医療ドラマに挑む杉咲花さん。「生活の手触りのある作品になっていってほしい」
「さまざまなエンターテインメントがあふれている現代で、『テレビドラマをとおして、観たことのない新しいものをつくっていきたい』というプロデューサーの熱い姿勢に突き動かされました。私にとっても、その思いは今作の出発点なので、気合が入っています」 圧倒的な表現力で観る者を驚かせてきた杉咲花さんが初めて挑む医療ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』が、4月15日から始まります。原作は元脳外科医の子鹿ゆずる氏(漫画:大槻閑人(かんと))の同名人気コミック。 杉咲さんが演じるのは、1年半前に不慮の事故で脳に損傷を負い、記憶障害を抱えた脳外科医・川内ミヤビ。脳に重い後遺症を抱えた主人公が、同じく後遺症に苦しむ患者に寄り添い、希望をもたらすヒューマンストーリーです。 「医療は人を救うものですが、医師たちもだれかを救いながら、自分も救われたいと思う瞬間がきっとあると思うんです。患者が救われて終わりではなく、医療をとおして、関わった人たちのその先の人生に思いをはせるような、視聴者の皆さんが登場人物に自分の姿を投影できる、生活の手触りのある作品になっていってほしいなと思っています」
「演じる川内ミヤビは人を思いやる深度がとても深い人」
ミヤビは過去2年間の記憶がすっぽり抜け落ちたうえに、今日のことを明日にはすべて忘れてしまうため、今日あったできごとや患者の状態、細かい会話の内容からそのときの気持ちまで、日記に細かく書きつづるのが習慣。その日記を毎朝5時に起きてすべて読み返し、記憶を補うことから、ミヤビの1日は始まります。 「ミヤビは自分が記憶障害であるという現実を毎朝つきつけられて、私には想像できないような絶望感を抱えていると思います。でも、ミヤビは相手が医師であっても患者であっても、目の前にいる人に向き合おうとする。人を思いやる深度みたいなものが、とても深い人だと思います。常にひとりの人間として向き合おうとする姿がとても魅力的です」 そんなミヤビの前に、謎に包まれたアメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)が現れます。三瓶の導きによって、ミヤビはもう一度、脳外科医として新たな一歩を踏み出していくことに。しかし、ミヤビの“消えた2年間”の記憶のなかに、さまざまな謎や人間関係が隠されていることがわかってきて…。 「原作にある軸を大切にしながら、人の心の複雑さや痛み、そっとたたずむ希望の気配みたいなものの解像度をどこまで上げていけるか、試行錯誤しています。ぜひ、楽しみにしていてください」 医療ドラマをベースに、ヒューマン、サスペンス、そして、ラブストーリーをつめ込んだ本作。ドラマ界に新しい風を巻き起こしそうです。
ESSE編集部