ホンダ新型「アコード」は心地よさを満喫できる走りっぷり! 上級セダンの快適さを最新技術でアップデートしていました
シンプルな美しさが際立つスタイル
さて、初代ハッチバックの登場から時は流れて、じつに11世代目となるのが今回お目見えした新型アコードだ。10代目の終了から少し間をあけての登場となったが、はたしてどういうクルマなのか? ファーストインプレッションは、かなり魅力的なセダンに仕上げられてきた、ということ。とりわけ筆者がいいと思ったのがスタイルと走り。スタイル? 先代とたいして違わないんじゃない? と思われる向きもあろうかと思うが、ファストバックのシルエットこそ10代目と同様ながら、デザインはまったく新しく、その「質」もグッと高められた。 これまでのような余分なプレスラインや、フロントにこれでもかと使われていたメッキの加飾類が徹底的に排除され、外観上の光り物といえば繊細なクロームのモールがサイドウインドウのグラフィックに沿って使われているのみで、その後端も自然に太さを変化させて止めている。ボディ全体もとにかくスリークで、先代+75mmという全長の伸びやかさは眺めているだけでも気持ちがいい。余分なことは一切せずにシンプルな美しさが際立つスタイルに仕上げられたと思う。
室内の居心地のよさもハイレベル
ちなみにインテリアも、ここ最近のホンダ車の文法ともいえる水平横一文字基調のインパネが備わり、10.2インチメーターディスプレイやセンターの12.3インチディスプレイもさりげない扱いで備わる。インパネ(とドアトリム上部)に新しいシボが使われ、見た目も触感も上質な味わい。 それと何より上級セダン(今やアコードはホンダのフラッグシップなのだ)らしい居心地のよさはなかなかのもので、とくに後席はやや起こされたトルソアングル(背もたれの角度)やしっかりと取られた座面前後長、足元、頭上、横方向のゆとりのある秀逸な空間作りは、外観からは想像しにくいが、理屈抜きでくつろげる。また実際に乗り降りしてみるとドア開口も大きく、ストレスなく行える。 もちろんドライバーズシートに座り、まわりを見渡し走り出してみると、自分の操作とクルマの動きに齟齬がなく、途端にクルマとの一体感が味わえるよう設えてある。それは「ああ、やはりこういういいセダンはいいね」と思える瞬間だ。