出場校で「部員最少」44人でも大学選手権を連覇…「重要なのは選手の自立」東都2部からわずか5年で青学大が躍進した“納得のワケ”
「指導者が引き上げられるレベルには限界がある」
こうして預かった選手たちには自立を求める。 「指導者が引き上げられるレベルには限界がある。そこから先、どこまで上げていけるかは、彼ら自身だと思うんです」と力を込める。だからこそ「○○するなとか、こうしろ・ああしろと言うのは極力嫌」となるべく選手の考えを否定しない。一方で「良いか悪いかハッキリ言わないといけない時は、決して言葉を濁さない。語尾を大切にしています」と、言い切るようにして、規律も明確にした。 確固たる自立や規律が生まれた時、部員数の少なさはメリットになる。たくさんの対話を通して選手一人ひとりの特徴を掴み、豊富な実戦機会で選手は自らの長所や短所を知ることができるからだ。 チームとしての決め事の徹底も大切にし「徹底のためには納得が必要」と説き、主将にはそのための姿勢を求め、結果として佐々木は「みんなが付いていく主将になりました。口数は多くないけど背中で引っ張れる。我慢強い男です」と成長。チームを自身の成績に左右されず最後まで牽引し続けた。 言葉を大切にする安藤監督は「〇〇切る」という言葉を多く使う。投げ切る、やり切る、守り切る、勝ち切る……など。その真意を問われると「一生懸命やって欲しいんです。応援される人物、チームになって欲しいんです」と語る。 「愛されるチームになってきた」という手応えは着実に掴んでいる。大会前、グラウンドや寮がある相模原キャンパスの近くにあるハンバーグ屋を訪れ、カウンターに座ると「青学の監督さんですよね?」と女将さんに声をかけられた。 「佐々木くんがホームランを打ちましたよね? こないだ店に来た時、ホームランバー(アイス)をあげたのよ。今度からも来た選手たちにあげようと思って」など、選手たちの活躍を我がことのように喜んでいる姿を見た。さらに、大学の関係者からも「頑張ってね」とよく声をかけられると言い、「それが答えですよね」と目を細める。 春を全国2連覇で終え、秋のリーグ戦とその先の全国大会である明治神宮大会では、長い大学野球の歴史の中で史上5校目6回目となる4冠(春・秋それぞれのリーグ戦、全国大会を優勝すること)の期待もかかる。昨年は明治神宮大会の決勝で慶應義塾大に敗れ、あと一歩届かなかった偉業に挑む。
【関連記事】
- 【写真】「えっ、何頭身なの…?」187cmの“青学大・次世代エース”鈴木泰成のモデル顔負けのスタイルと爽やかフェイス。佐々木泰主将の試合での迫力のフルスイング&OBたちの貴重写真も見る
- 【こちらも】《阪神ドラフト1位》青学大174cmの“小さなエース”下村海翔が持つ驚異のポテンシャル…日米大学野球では「東都7人衆」で最も活躍&MVPのナゼ
- 【注目】慶大・清原正吾(21歳)の指名はある?…スカウトが語った“リアル評”「評価不能」「本気なら推したい」まさかの「アナウンサーか俳優に」の声も
- 【必読】長嶋茂雄でも岡田彰布でもない…東京六大学最高打率「.535」を叩き出した慶応大“伝説のバッター”は、なぜ26歳で球界を去ったのか?
- 【OBの活躍】《広島ドラフト1位》出身は大分“偏差値68”の公立進学校、大学まで全国大会出場なし…ベテラン記者が見た青学大・常廣羽也斗「ホントの素顔」