「尊厳死」 法制化の動き 安楽死とどう違う? 賛否は?
賛成・反対それぞれの理由は
尊厳死は、死生観に直接関わる問題だけに、法制化の動きには賛否両論があります。中日新聞(2012/11/27付)は、「生きていれば年金が入る、と自分たちに都合のいい延命を患者に強いている家族もいる。尊厳死法案は、自己決定による終末期医療を支援するもの」という、尊厳死法案の実現を求めている日本尊厳死協会東海支部の青木仁子支部長の声を伝えています。 一方で、反対論も少なくありません。北海道新聞(2012/10/24付)は、「法案は死ぬ権利を認めるもの。医療提供を受けなければ生きられない社会的弱者に、死の自己決定を迫る危険性がある」という、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者らでつくる「日本ALS協会」の反対意見を伝えています。 ほかにも、「人の死に国家が介入すべきではない」「延命措置の中止は命の軽視につながる」といった批判も強く、法案の成立は見通せない状況です。