鈴木知事「ポコロ」を視察 白糠のアイヌ文化紹介施設
鈴木直道北海道知事は22日、白糠町和天別に開設されたアイヌ文化を紹介する展示施設「白糠アイヌミュージアム・ポコロ」を視察した。白糠アイヌ協会の天内重樹会長や棚野孝夫町長からの説明を受けて「こういう施設が出来たことで、今後にいろいろな可能性がある」と期待。アイヌ文化を観光面だけではなく、アイヌ民族の伝統的生活空間「イオル」と捉えてアイヌ文化の保存と伝承に力を入れた取り組みに理解を示した。 同施設は国道38号沿いに建てられていた施設を3年がかりで改修した。施設内には60分の1サイズのコタン(村)のジオラマ展示をはじめ、白糠町に伝わる三つの祭りを紹介する映像の上映、さらに、アイヌ民族の生活の様子を今に伝えるチセ(家)の内部を再現するなど、細部にわたってアイヌ文化を伝える工夫を凝らした。知事視察には桐木茂雄道議と伊東尚悟道議も参加。地域の創意工夫のある取り組みで完成した施設を視察した。 展示物の制作に関わった天内会長は「村を守る神々に供えるイナウ(木幣)も展示だけのために作ったのではなく、この施設を神々に守ってもらうという心を込めて作りました」との説明に鈴木知事も深く関心を寄せていた。さらに「衣服の模様も地域によって違いがある。アイヌ文化の施設がそれぞれの地域で出来上がっていくことはとてもありがたい」と述べた。
釧路新聞