徳島市中心部のまちづくり 県と市が基本協定などについて会合 また県は鉄道高架事業の概算費用を発表【徳島】
JRT四国放送
11月19日、徳島市中心部のまちづくりについて、徳島県と徳島市の担当者で作るワーキンググループの会合が徳島県庁で開かれました。 この会合には、徳島県の村上耕司副知事や徳島市の瀬尾守第2副市長ら16人が出席し、新ホールの整備に向け、徳島県と徳島市で結んだ基本協定の取り扱いなどについて意見を交わしました。 県市基本協定は、旧文化センター跡地でのホールの整備を前提に2021年に結ばれ、新ホールは県が整備すること、市の土地を県に譲渡することなどを定めています。 しかし、県が新ホールの建設場所を藍場浜公園に変更する案を示したことで、一部の徳島市議から「改定ではなく、新たな協定を制定することはできないのか」といった意見が出ています。 これを受け、この日の会合で徳島市側は改めて徳島県側の考えをただしました。 (徳島市 瀬尾守副市長) 「県市協定を改定としたい理由と、白紙に戻すべきとした意見に対する県の考え方についてお伺いしたい」 (徳島県 村上耕司副知事) 「この協定が、県が主体的に新ホール整備に取り組む根拠となるもの。根本的な理念や考え方を引き継ぐためには、現在の県市基本協定の取り扱いを整理し改定する必要がある」 一方、白紙に戻すとの意見については。 (徳島県 村上耕司副知事) 「県市基本協定を白紙に戻すということは、現在の枠組み自体が何もなかった元の状態に戻るということを意味する。県として白紙に戻す、すなわち飯泉前知事・内藤前市長会談以前の状態に戻すという考えはない」 また県は、市がこれまで土地譲渡や施設解体などに要した約15億円の補填を含む20億円の基金の創設について、11月29日開会の11月定例会で提案する方針を示しました。
徳島県は計画が進められている徳島市の鉄道高架事業について概算費用の調査結果を発表
一方、徳島県はこの日、かねてから計画が進められている徳島市の鉄道高架事業について、概算費用が850億円と想定されるとの調査結果を発表しました。 小喜多雅明記者の解説です。 (小喜多雅明記者) 「鉄道高架事業をめぐっては、1993年に佐古駅周辺が高架になって以来まったく進んでいません。 そんな中、2023年11月、徳島県は徳島市中心部の新たな街づくり計画で、現在のJR徳島駅北側にある車両基地を旧文化センター跡地に移転し、止まっていた鉄道高架事業を再び進めていく方針を示しました。 以前の計画では、徳島市南部に車両基地を作って事業区間4.7km、概算事業費800億円、工期は17年でした。 新たな計画では、文化センター跡地に作る新たな車両基地も含めて文化の森駅までの約4.2kmを高架にする計画で、事業費は850億円、工期は13年としています。 事業費は50億円増えますが、工期は4年短くなります」 (小玉晋平アナウンサー) 「徳島市や、JR四国との費用分担はどうなる見込みですか?」 (小喜多雅明記者) 「850億円のうち、徳島県の負担が180億円、徳島市も同じ180億円、国が430億円、JRが60億円と想定されます」 (小玉晋平アナウンサー) 「これだけの巨額の費用ですが、どんなメリットがあるのでしょうか?」 (小喜多雅明記者) 「鉄道高架で踏切をなくせば、渋滞が緩和され、線路で仕切られていた市街地の一体化が期待されます、計画では12か所の踏切が無くなることになっています」 (小玉晋平アナウンサー) 「ほかの県では、鉄道高架は行われているんでしょうか?」 (小喜多雅明記者) 「四国各県では、駅を中心とした開発が次々と進められていますが、一方でJR徳島駅の姿は、現在の駅舎が建てられた1992年以降まったく変わっていません。 徳島の玄関口がこれ以上衰退しないよう、関係者の前向きな議論に期待します」