ホワイトハウス高官、インフレ再燃リスク小さい-金利低下は住宅支援
(ブルームバーグ): ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は16日、米金融当局が政策運営の焦点を労働市場の保護に転換する状況にあって、インフレ再燃リスクは小さいとの認識を示した。
ブレイナード氏はワシントンで開かれた外交問題評議会(CFR)のイベントで、米経済が「転換点」に達したと述べるとともに、物価上昇の最大の要因である住居費に対処する上で、市場金利の低下が寄与するとの見解を示唆した。
「インフレ率は正常な水準に戻りつつあり、労働市場の重要な進展を守ることが重要だ」とブレイナード氏は話した。
先行きのインフレリスクを巡る質問に対しては、消費者物価指数(CPI)への住居費の影響に言及し、「最も粘着的な部分だ」と指摘。住居費を除けば、CPI上昇率は1.8%程度にとどまるとコメントした。
また、「さらに手頃に入手できるようにするには、もっと住宅が必要だ」とし、「市場金利の面で一段と支えとなる環境となれば、その可能性は高まる」と語った。
米住宅ローン金利は過去数週間に大幅低下。米金融当局が17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で緩和サイクルを開始するとの観測が広がり、米国債相場が上昇していることを反映している。トレーダーは今週の会合について、少なくとも0.25ポイント利下げを見込んでいる。
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NEC委員長に就任する前、FRB副議長を務めたブレイナード氏は、バイデン大統領が連邦準備制度の独立性尊重にコミットしている点も強調した。
ブレイナード氏は労働市場の状況と底堅い消費を指摘して、米経済の力強さに自信を示した。ただ、一層の対応が講じられることが「非常に重要」な分野として住宅を挙げ、議会にもこの問題に対処するため役割を果たすよう呼び掛けた。
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11月5日に投開票が行われる米大統領選では、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領の両氏とも、それぞれ住宅政策を打ち出している。