オランダ人アーティストが東京の路上ギャラリー “Jinny Street Gallery”で写真展「Without Us」(人々の残像)を開催
日本各地の空き家や廃墟となった建造物を巡って撮影した作品を紹介
024年4月12日(金)から5月12日(日)まで、オランダ人写真家マーン・リンブルフによる写真展「Without Us」(人々の残像)が開催される。日本各地の空き家や廃墟となった建造物を巡って撮影した作品を紹介するマーン・リンブルフの東京での初となる写真展だ。 日本を訪れる外国人の多くは、高層ビルが建ち並ぶ都市部に目が行きがちで、郊外にはあまり興味を示さないように思える。しかし、オランダ人アーティストマーン・リンブルフの目には、郊外や田舎の美しいのどかな景色や、都市部にも見られる空き家が日本の特徴として映ったようだ。 リンブルフは2018年から2019年に日本を訪れ、郊外を巡る旅のなかで置き去りにされた廃墟の工場、ホテルや旅館、レストランなどを数多く見つけ、その建物たちが昔の人々の思い出で満ち溢れているように感じ、数多くの写真を残した。そして帰国後、それらの作品を紹介する写真展「The Lost World(失われた世界)」をオランダにて開催すると、CNN Travelの記事に取り上げられるなど、ヨーロッパやアメリカで大きな反響を受けた。
「The Lost World」の続編となる写真展を、その舞台である日本で開催
そしてこの度、開催される「Without Us」(人々の残像)は、「The Lost World」の続編として、撮影場所でもある日本においてはじめて開催される写真展だ。会場は国内・海外の若手アーティストの活動を支えることで知られている「Jinny Street Gallery」だ。 東京で最もオープンなロケーションで、渋谷区神宮前二丁目商和会の路上に位置するギャラリーで、訪れる人々は一日中アートに触れ合うことができるスペースになっている。このギャラリーは、2人のアーティストが、この地域に42個の置き去れた展示ケースがあることに気づき、空き箱のままにしておくのはもったいないと考えたことから設立されたもので、いわば廃墟のように置き去られていたリンブルフの被写体のような場所だ。 Jinny Street Galleryも今では広く知られるようになったが、こうした成り立ちもリンブルフの心を惹きつけた要因のひとつで、「Without Us(人々の残像)」という展示にとって最適なロケーションであることを裏付けているようだ。