塩崎厚労相「屋内禁煙の伝統を日本が破るのか」五輪見据え受動喫煙対策訴え
通常国会で法案提出が見送られた受動喫煙対策。厳格に屋内原則禁煙を打ち出す厚生労働省と、一定面積以下の飲食店は禁煙の規制対象外としたい自民党の交渉が決裂したためだ。塩崎恭久厚生労働相は、THE PAGEのインタビューに対し、「北京五輪以降、ずっと屋内禁煙でやってきた伝統を日本が初めて破っていいのか」と疑問を呈し、「お店自体を原則喫煙禁止ということでいかないと、我々としては合意できない」などと述べた。 都議選で受動喫煙対策が議論に上がったことについては「議論が国政に影響することは一定程度あるんだろうと思う」と話し、注目が集まることを歓迎した。自民都連が国政とは別に、原則屋内禁煙の条例制定を掲げて戦ったことについては「そういう声が党内に広がることは大事」などと肯定的に受け止めていた。
厚労省案と自民党案の違い
厚生労働省は3月、受動喫煙防止対策の強化について基本的な考え方を示した。屋内は原則全面禁煙とし、30平方メートル以下のバーとスナック等を規制対象外とする内容だった。 これに対し、自民党は5月、「バー」「ラーメン屋」など業態による分類はせず、客室面積は100平方メートル以下、厨房は50平方メートル以下の計150平方メートル以下の飲食店については「喫煙店」であることの表示義務や未成年の立ち入りを禁止とすることで、規制の対象外とする案を打ち出した。 塩崎厚労相は、厚生労働省案の例外規定については、「従業員なしで、お1人で、カウンターでバーを経営されているぐらいの広さのところだったらば、そもそも飲みに行くわけですから、妊娠されている方も多分行かないだろうし、子供は行かないだろうし、従業員がいなければ未成年もいないだろうということで例外にした」と説明。 一方で、自民党案については「東京の場合、85.7%の飲食店が喫煙可になる。外に喫煙店という表示をすればいいじゃないかといっていますが、送別会でみんなで行きましょうといったところが吸えるところだったら、自分の意に反していかざるを得ない。こういうときには、受動喫煙は排除し切れない」と話した。