開幕1軍のオコエと2軍落ちの平沢。なぜ明暗?
プロ野球の開幕を前に大物高卒ルーキーとして注目を集めてきた2人の野手の明暗が分かれた。楽天のオコエ瑠偉(18、関東第一)と、千葉ロッテの平沢大河(18、仙台育英)の2人だ。オコエは楽天の高卒新人野手としては初となる開幕1軍をゲット、その一方で、平沢はオープン戦の終盤から2軍落ちして、開幕1軍を外れた。22日のイースタンリーグの西武戦では「9番・ショート」でフル出場してヒットも放ったが、ドラフト1位の高卒野手2人は、なぜ明暗を分けることになったのか。 キャンプで木のバットへの対応力を見せて、その18歳とは思えぬシュアなバッティングの評価が非常に高かったのは平沢だった。オコエは逆に金属バット特有のドアスイングの欠点が目につき、高卒野手が最初にぶちあたる壁に苦しんだ。だがオコエは、池山打撃コーチのマンツーマン指導で着実に進化。両者のオープン戦成績は、オコエが13試合、23打数4安打4打点3三振、打率は.174、平沢が6試合、12打数1安打7三振、打率は.083。平沢は天才的なバットコントロールを披露したが、結果はヒット1本で、一方のオコエは得点圏での勝負強さを発揮した。 梨田監督は、オコエの開幕1軍抜擢に関して「バッティングはまだまだだが、あの守備が魅力」と言った。確かにオコエは外野守備で非凡さを見せた。打球の判断を間違ったものが1、2度あったが、ポジショニングのセンスと、自慢の快足を生かした好守も目立った。守備固め要員としては、十分に1軍レベルを満たしていた。そこにプラス、話題と人気があるのだから、首脳陣が、「守れるなら1軍に置いておこう」と考えるのは不思議ではなかった。 一方、平沢は、守備で合格点をもらえなかった。プロの速い打球と、走者の足をまざまざと実感することになる内野手、それも、小さなミスが許されないというショートというポジションで、開幕1軍を目指さねばならなかったのは、外野のオコエに比べて、超えなければならない壁は高かった。1988年の中日・立浪和義氏以来、高卒内野手のスタメン出場選手は出ていないが、それほどプロの内野手には求められるものは多いのだ。オコエと平沢が開幕で明暗を分けた最大の理由は、外野と内野の違い、守備力の違いにあったのだろう。