【オリックス】赤平市出身・高島泰都がプロ初先発し5回途中4失点で降板…滝川西高時代の恩師「次こそ初勝利してほしい」
◆パ・リーグ オリックス4―5楽天(10日・京セラドーム大阪) 赤平市出身のオリックス・高島泰都投手(24)が10日、楽天戦でプロ初先発のマウンドに上がり、4回2/3を4失点で降板した。明大準硬式野球部から社会人野球の強豪・王子を経てプロ入りした異色の経歴を持つ右腕。惜しくもプロ初勝利にはあと一歩届かなかったが、高校時代の恩師である滝川西高の小野寺大樹監督(47)が、教え子にエールを送った。 小野寺監督は祈るように教え子の投球を見守った。最初で最後のプロ初先発。惜しくも初勝利は逃したが「1軍に残っただけでも凄いのに、まさか先発しているところが見れるとは思わなかった。感動してます」と感慨深げに語った。 「準硬式をやります。硬式をやる自信はありません」。高校野球引退直後の高島がそう言ってきた場面を、小野寺監督は約7年経った今でも覚えている。高校3年夏は背番号10で、北海道ガスでプレーする鈴木愛斗投手(24)に次ぐ2番手投手。「あの体つきで甲子園で140キロ投げたし、声がかかるかなと思っていたけど、ほとんど大学から誘いはなかった」 当初志望していたのは道内大学だった。しかし、案内が届いていた明大準硬式野球部のセレクション受験を小野寺監督が提案。申し込み締め切り日は過ぎていたが、急きょ、大学側に電話して参加の許可を得た。練習会に集まった選手は全員が名門校の甲子園球児。投手の枠はわずか1~2人と狭き門だったが、その日のうちに同部の監督から合格の連絡が入った。 高校卒業時は「大学でエースになれよしか言ってない。準硬式からプロに行けるんだぞとか、やる気を出させる話はできなかった。まさかここまでなるとは思ってなかったから」。恩師の予想に反して、コロナ禍に本格的に取り組み始めたウェートトレーニングで才能が開花し、大学で球速が150キロに到達。一度は諦めた硬式野球に王子で復帰し、プロへの扉をこじ開けた。 先発することを知り、この日予定していた少年野球教室を急きょ中止にした。同教室に参加予定だった小学生、野球部員とともにテレビ越しに声援を送った小野寺監督は「子どもたちに夢を与えてくれた。あと一歩で勝利を逃して、いい経験になったと思う。次こそ初勝利してほしい」とさらなる活躍を期待した。 (島山 知房)
報知新聞社