「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
電気モーター版とほぼ同じ見た目
欧州では電気モーター版へ注目が集まっているが、英国オックスフォードの工場では、馴染み深いエンジン版の新世代も生産が始まった。実は、ボディパネルの内側はまったく違う。だが、バッテリーEVの兄弟と、殆ど見分けはつかないだろう。 【写真】活発な子犬のよう 1.5L 3気筒のミニ・クーパー C ポップからマジメまで 欧州の小型ハッチバック (117枚) 電気モーターで走るミニは、最新の電動パワートレイン用プラットフォームを基礎骨格とする。対して、1.5L 3気筒エンジンで走るミニは、BMW 1シリーズと同じプラットフォーム。3代目ミニの大アップデート版だと、いえなくもない。 1番わかりやすい違いは、フェンダーアーチ。内燃エンジン版には、黒いプラスティック製トリムが残されている。ドアハンドルも、ドアパネルへ埋め込まれていない。ヘッドライトの穴が空いた、クラムシェル・ボンネットも受け継いでいる。 プラットフォームが違っていても、ほぼ同じスタイリングを与えたのは、意図的なもの。パワートレインは、新しいミニの選択肢の1つに過ぎないという戦略が基本にある。 これは、モデル名にも表れている。新世代のハッチバックは、共通してクーパーと呼ばれることになった。電気モーター版ではEかSE、内燃エンジン版ではCかSが、その後ろに続く。2024年末には、ジョン・クーパー・ワークス(JCW)も登場予定だ。
やんちゃで活発な子犬のように愛らしい
ミニのマーケティング担当者は、「ゴーカート・フィーリング」を新世代でも主張する。MTが選べなくなったのは残念だが、タッチモニターから適したエクスペリエンス・モードを選べば、優秀な前輪駆動シャシーを味わえる。 ゴーカートは前輪駆動じゃない? 車重は1335kgもない? そんなツッコミもわかるが、想像力を働かせれば、同社が伝えたいことは理解できるはず。 0-100km/h加速は7.7秒で、ダッシュ力は鋭い。サスペンションは明らかに硬いが、減衰特性が良く、凹凸が目立つアスファルトでも悩まされるほどではない。 アクセルペダルを踏みながらステアリングホイールを切れば、トルクステアが小さくない。だが、そんなやんちゃな感じが、活発な子犬のように愛らしい。ちなみに、タイヤは専用開発されたネクセンを履いていた。 シャシーは、ステアリングの入力へ忠実・積極的に反応。DSCをスポーツに切り替えると、コーナリング時に右足を傾ければ、内側へ食い込んでいく。これは、ゴーカート・モード・メニューの中から選択できる。 MTの欠如以上に筆者が残念だと感じたのが、スポーツ・グレードを選択しない限り、7速デュアルクラッチATにはマニュアルモード付きのシフトレバーが備わらないこと。シフトパドルも、通常は付かない。 そのためエンジンは、意欲的に走らせるとトルクバンドを外したり、レッドライン間際まで回ってしまい、少しもどかしい。中回転域ではトルクフルでも、現代のターボユニットらしく、低・高回転域ではやや息苦しい。